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世界と日本経済大予測2023-24

世界と日本経済大予測2023-24の写真

・安倍元首相が外交戦略で掲げた「自由で開かれたインド太平洋」は海洋国家・日本の歩むべき道を示したもので、自由・民主主義・方の支配・市場経済という基本的価値を持つ国々との関係を強化しようという「自由と繁栄の孤」から発展したもの、これが安倍氏の残した最大の功績である(p3)自分の権利を守るために相手の権利を守る、相手の権利を守るのは自分の権利を守るため、これがリベラルの自由でありお互いの権利が対等になる。これはfreedomとは異なる、自由というものを見直し基本的人権と普遍的価値感を改めて日本人に示し、また世界に表明した(p5)

・欧州各国はロシアの飛び地(カリーニングランド:第二次世界大戦終結までドイツ領、それ以降はロシア)から親ロシア派を追い出したがっていたが、その念願が実現しそうである、ウクライナ侵攻後、これまでロシアの支援を受けていた自治州、自治地域、飛び地領からロシア軍が撤退せざるを得ない状況になり、軍事空白地帯が生まれている。EUがこの戦争を簡単に終わらせたくない理由がある(p18)

・PMC(民間軍事会社)や傭兵をウクライナは紛争地域に投入してきたので、初期の段階でロシアとウクライナには兵力差があり、キーウはすぐに陥落すると思われていたが、首都陥落を防いだ(p22)ロシアの大きな失敗は「黒海の制海権」を握れなかったこと、そのためにはドナウ川河口に浮かぶ蛇島(ズミイヌイ島)を抑えなければならないが、島を占領したものの、その後、旗艦モスクワを失い(沈没)制海権を失った、ボスポラス海峡を封鎖されているので、ロシアは追加海上勢力を送り込めない(p23)2月24日侵攻当日に、ウクライナはトルコに、ボスポラス・ダーダネス海峡の、ロシア船の通行禁止を依頼した(p24)黒海とバルト海の不凍港を事実上失って、ロシアは外洋に出られなくなった(p30)

・2015年に中国が作り上げたシステム(CIPS)加盟の銀行の8割はSWIFTとも提携している、したがってCIPSを介した制裁対象の金融機関は直ちに特定され、米欧日との金融機関とは取引できない。するとCIPSは人民元専門の金融機関網となるので、ロシアは自国のSPFSを使うことになるが、米欧日の金融機関に相手にされないのは明らかである。SWIFTからの排除はロシア金融機関にとっては致命傷となる(p36)

・今回の経済制裁下でロシアは原油をはじめ資源の決済はルーブルに限定した、ルーブルとリンクした。ロシア産の天然ガス・石油が通貨としてのルーブルの裏付けとなった、このような資源頼みで通貨を保証するのであれば、資源価格は低下する、またはロシア産の原油やガスに対する依存度が低くなるにつれてルーブルの価値は必然的に失われていく。ロシア経済が破綻せずにやってこれたのは「陸つながり」で長い国境のどこかから海外の製品が並行輸入の形で入ってくる、裏ルートで資源を売りながらなんとか外貨を手に入れているから(p41)

・米国が利上げをする理由は、国民の資産減少を防ぐため、例えばCPI(消費者物価指数)が10%上昇したとする、給料を現金のまま保有すると金利が0%に近い日本では毎年10%ずつ手持ち資金の価値が目減りする、これまでの金融緩和で増やしたお金を回収するには、利上げを行いそれにより、財・サービスの量と通貨の量を均衡していく作業をしなければならない、これが米国の利上げとテーパリングの原理である(p46)

・円は2022年10/20には1ドル=150円にまで値下がりし、32年ぶりの円安水準となった、だが米国で利上げが止まる、あるいは利下げが始まることがあれば、日本円は再び安全資産として信用を取り戻すだろう(p51)

・SOSsは環境保護のために豊かさを犠牲にするものに過ぎず、持続可能な開発どころか「緩やかな自殺行為」でしかないのが事実である、SDGsの美名の下で私服を肥やす業界や活動家がいることもまた事実である(p62)

・2022年10月、米国が半導体技術の対中国禁輸を発表した、米国の技術を使って第三国で製造された半導体も規制対象となる、2023年4月以降、外国メーカが中国で組み立てすらできなくなる可能性は高く、この影響はほぼ全産業分野に及び、AIを多用する自動運転技術を用いたEVやスマホなどの生産に大きな影響を与える(p91)

・中国にとって日米豪印のクアッドが脅威になる、インド洋と太平洋において、北を日本の自衛隊と米軍、南をインドとオーストラリアに封鎖されると、上下で蓋を閉じられることになり、中国は外へ出れない、これは石油の流れが止まることを意味する、中国は平時で備蓄30日しかない、戦時では2週間は持たないと言われている(p94)

・2020年サウジアラビアのリヤドで行われたリモートG20サミットにおいて、中国は国際枠組みに従うことを約束させられた、国対国の借金はパリクラブ、国対銀行・国際金融機関はロンドンクラブが一種の破産裁判所になっており、その枠組みに中国も入ることになった。これで「債務の罠=返済不能となったら咀嚼した港の運営権を奪う」はなくなった(p97)

・自動車産業を見ると欧米ではEV一色だが、トヨタは内燃機関から完全にEVへシフトすることはない、内燃機関という日本の持つ最大の特長を自ら捨てる必要ないから、また水素エンジンも二本しか作れない技術である。燃料電池は発電したモータを動かし、水素エンジンは水素を直接燃やす、どちらも水素燃料から考える発想では共通している。トヨタとしては、これからEVだけでなく、内燃機、ガソリン、ハイブリッド全てやる。その上で最適解の事業に集中するという動きに見えるが、それでもEVは可能性は薄い、電力がない。(p171)

2023年1月20日読了