・日本人の多くが誤解しているが、アメリカでは大統領よりも議会の方が大きな権限を持っている、大統領には法案提出権・議会解散権もない、行使できるのは、教書送付権(立法や予算の審議を勧告する権利)と法案拒否権(議会で可決された法案を拒否できる権利)である、法案拒否しても両院がそれぞれ3分の2で再可決すれば、再拒否はできない(p27)
・湾岸諸国はアメリカと疎遠になって中国に乗り換えられない、資産であるペトロダラー(産油国がドル建てによる原油輸出で得た資金)は、両替手数料無しでドルとして使える。アメリカと喧嘩すれば、資産が召し上げられてしまう、彼らの資産はアメリカの金融システムの中にしか存在しない(p34)
・BRICS通貨の話は、まさに夢幻でしかない、その通貨を成立させるには、EUで行われたようにBRICSで中央銀行を統一しなけばならない、新開発銀行というBRICS銀行は存在するが、中央銀行の権限を持っていないので、IMFのように参加国が経済危機になった場合などの緊急時の安全弁に過ぎない、景気のバランスを取るための通貨量の調節をする金融政策は実施できない(p36)2015年には中国が中心となったAIIBを設立したが、目算通りには機能せず、一帯一路投資によって直接融資に切り替えているのが現状である(p37)
・2022年にバイデン政権は「チップ4」という、日本・アメリカ・台湾・韓国の4カ国半導体供給網に関する協議体を形成、さらに日・蘭・米の3カ国が、先端半導体技術の対中輸出規制の強化に合意、対中半導体包囲網を形成した、まるで第二次世界大戦前のABCD包囲網が中国に敷かれているような状況と言えるかもしれない(p49)
・グローバルマーケットはそもそも「人・モノ・金」の移動の自由化が前提であった、それが多国籍企業のやりたい放題防止のために様々な壁を各国が作らざるを得なくなってしまった。もはや、旧き良きグローバルマーケットは消え失せた(p66)
・電気自動車は、ボティ、シャーシは軽いアルミダイキャスト製で、それぞれ一体成型したパーツを溶接してできている。ぶつけてへこませた場合、修理できないので、総取り替えとなるから修理代は500万円を超える、電池寿命で交換する場合は安くても200-300万円かかる、これを考えるとテスラEVは、使い捨て家電製品と変わらない(p68)衝突で爆発した時、過充電で爆発した場合、一度火がついたら電池が燃え尽きるのを待つしかない(p70)
・ツィッターは従来のプラットフォーム自体で利益が出ない構造だが、ティックトックでビジネスが成立するのは、通販サイトに誘導してそこから、アフィリエイトで稼ぐ「連動買い」が可能だから(p75)
・現在注目される開発中の二大技術は、1)非常に速い演算技術、2)既存の技術の発展系である光半導体、これまでの半導体と異なり、消費電力を大きく低減できる、スマホは1回充電すれば、1年は使えるようになる(p83)
・2022年9月30日、通信規格を決める国際機関である国際電気通信連合(ITU)の事務総長、事務局長は、米国・日本人が務めることになり、通信規格の主導権を中国から取り戻した、現在進んでいる「5・5G」そして6G(2030年実用化予定)の規格化が始まっている(p85)
・1976年のモントリオール五輪では、市・州・カナダ連邦政府が1兆円の負債を抱えて、完済したのは大会から30年後の2006年であった(p91)そして1984年ロサンゼルス大会から商業主義五輪となり400億円の黒字となり成功した(p92)
・2022年カタールのサッカーW杯の放映権は350億円で、このうちABEMAが200億円、NHK80億円、朝日とフジテレビが合計70億円を負担して全試合を放映している、これでわかるように、日本のテレビ局にはもはや世界のビックイベントを単独で買う力がない、2022年はテレビとネットの力関係の逆転を占める象徴的な事例として後世に記憶されるかもしれない(p94)
・2023年8月17日、中国の不動産大手である恒大集団がニューヨークで破産申請した、米国内の資産の強制的な差押を回避できる、同時に米国外では再建計画を進めることになった、この破産申請の影響は大きく、連鎖的な破綻を招くのは確実である(p104)
・中国国家統計局が、若年層失業率の公表を取りやめた、2023年6月の公式統計では21.3%となっていた、就職活動をせずに親の扶養の下にある若者1600万人を含めると、46%以上に達する可能性があると指摘されている(p109)
・伝統的な火同盟国インドを西側に引き込む、その構想tは、QUAD(日米豪印)として結実しており、その意味で安倍元首相の果たした役割は極めて大きい、QUADは、日米・米豪の軍事同盟が軸になっている、さらに日豪も準同盟関係にある、日印も共同宣言を発表して戦略的パートナシップを組んでいる(p118)
・インドは特に各州の自治権が強く、中央集権が進まない、これは専制国家の側面を持つものの根本的には民主主義国のインドと、根っからの専制国家の中国との最大の違いである、それだけにこのままインドが発展していった場合、国家が分裂するリスクも否定できない(p123)
・半導体企業の多くが九州に進出しているのは、電力の安定供給に対する安心感と無縁ではない、北海道電力の電気原価コストは九州電力のおよそ2倍である、原子力が23%の電源となっている九州と、北海道では泊原発が停止したままである(p132)
・メタバースミーティングでは、オンラインミーティングと異なり、アバターとして仮想空間に滞在することで、リアルにそこで出会っている感覚になり、より円滑なコミュニケーションが実現できるという、メタバース内での広告配信、イベント開催にも応用されそうである。しかし高齢者が多い日本では、メタバースが早々に普及するとは思えない。WEB上で顔を合わせてのミーティングの方がよほど現実的であるのではないか(p154)
・中国の団体旅行は、ほとんどが中国資本のバス会社、免税店、ホテルを利用しており、日本にはお金が落ちず日本人にメリットはほとんどない(p159)
・テレビのキー局は今「ティーバ」などインターネットサイマル配信を行なっている、そうなると地方局はキー局の番組を放送する意味がなくなり、当然スポンサーもつかなくなる。テレビはメディアの王様の地位から滑り落ち、武パットフォームの一つに成り下がる現実を甘んじて受け入れなければならない(p198)