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日本史の謎は「地形」で解ける【日本人の起源篇】 (PHP文庫)

日本史の謎は「地形」で解ける【日本人の起源篇】 (PHP文庫)の写真

・日本語の発声音数は、約120で、英語(2000)や中国語(数千以上で数えきれない)と比較して少ないが、一般会話での語彙は小学生レベルで約30000であり、欧米の5000程度と比較して多い。言語には2つの伝達手段があり、発声と文字がある、日本語は発声は極めて貧弱だが文字言語(語彙)は圧倒的に豊富である(p22)

・医学者の研究では、人の気管支は恐怖に遭遇すると細くなる、気管支が細く圧迫されれば自然と声は小さくなり子音中心となる。敵と味方が入り混じる出合いでは様子を伺う会話となる。母音はどうしても敵か味方か簡単にわかってしまう(p30)

・その国の権力層内部に亀裂を起こし、それを拡大させる。言語が異なる地方間の疑心暗鬼を増幅させて闘争へと誘っていく、体力が消耗した頃に傀儡政権を樹立してその国を支配していくのが欧米諸国の植民地化の原則であった。原則通りにフランスは江戸幕府、英国は薩摩・長州藩についた、しかし欧米人にとって思わぬことが起きた、江戸幕府と倒幕の指導者たちが京都に集まって行った、その全員が同じ日本語で会話をしていた。結局、無血の大政奉還と王政復古を実現してしまった(p38)

・水の民が蜘蛛の巣状の水運ネットワークをつくりあげた、移動しない農耕民族を相手に交易する水運ネットワークは利益が出た、移動する人々は移動しない人々の産物を買った、そして移動しない人々に情報を売った(p44)

・ヒトのサバンナでの直立二足歩行への進化は、生命の誕生・存続を否定する危険な進化であった、1)流産の危機(誕生)、2)体毛の消失(存続)であった。外敵から逃げるたびに胎児が重力によって大地に落下する危機に直面する、産道を狭くして流産を避けるように進化せざるをえなかった、なので未熟児の状態で生まれる(p61)乾燥したサバンナの大気は身体の水分を奪う、体毛は水分蒸発を防いでくれた、ゴリラ・チンパンジーなどの霊長類は、この体毛を脱がなかった。サバンナ説ではこれらを説明できない、これが可能なのがアクア説である(p63)水域での生活を始めたヒトの祖先は自然と直立の姿勢をとるようになった、水辺の生活では両手を地面につけるのは不利である(p66)

・7000万年まえに、カバの祖先が水中に入り、鯨やイルカになった、象の祖先が海に入り、マナティやジュこんになった、3000万年前に、熊や犬の祖先が海に向かい、アザラシやカワウソになった、彼らは全て体毛を脱いだ。そして皮下脂肪を蓄えていった(p68)

・大地溝帯の湖の水が縮小し、ヒトは再び陸に上がらざるを得なくなった、しかしゴリラなどの様に手を前を出して四足歩行をする前傾姿勢を取れなかった、異常に大きな頭部を進化させてしまったヒトは、前傾姿勢が取れるほどの強靭な首の筋肉を失っていた(p73)

・ナイル川が地中海まで到達するように、西岸の流路を安定させる堤防が必要となった、そこで古代エジプト人たちは、巨大な「からみ=ピラミッド」を建設することにした(p97)ナイル川西岸の130基以上のピラミッド群は堤防を形成、ギザ台地の3基のピラミッドは、デルタ干拓の灯台となった(p102)

・10万年の間、赤道直下の三大湾(東南アジア湾、メキシコ・カリブ湾、アラビア湾)のホモサピエンスは西に東に動き回っていた、のちに石器人、縄文人、古代エジプト人を呼ばれる人々である(p115)2009年、同志社大学の研究陣が、日本最古の島根県出雲市の砂原遺跡を発掘し、日本列島には12万年前からホモサピエンスが住んでいたことを明らかにした(p121)

・その集団が共同体かどうかを見分けるのは簡単である、その集団が喜びを共有しているか否かである、世界の歴史はユーラシア大陸を舞台にして展開した、その世界史を一言で言えば、暴力による侵略と被侵略の繰り返しであった、メソポタミア、エジプト、インダス、黄河、ギリシア、ペルシア、イスラム文明で侵略されなかった文明はなかった(p134)

・利根川の表流水は銚子に向かったが、山々から供給される地下水は依然として江戸湾に向かって流れ続けた、地形が供給する地下の水脈網まで変えることはできなかった、これが東京湾内の海水の入れ替えをしている(p154)この様な閉鎖性水域は、東京湾以外に、伊勢湾、三河湾、有明海、そして瀬戸内海がある(p155)

・戦国時代は流域の尾根を超えた領土の奪い合いであった、しかし江戸時代は尾根を越え膨張する領地拡張は許されなかった(p165)

2024年2月24日読了