本書は、明治維新を日本国内の政権交代としてではなく、19世紀の世界史的転換の中で捉える。フランス革命以降、世界では封建制から国民国家への移行が進み、「国民国家・産業革命・植民地支配」が国力を左右する時代となった。この変化に対応できなかった清などの旧来型帝国が衰退する一方、アメリカやロシアは東アジアへの進出を強め、日本もその波に直面した(p23、p34、p45-46、p79-81、p102)。日本では、藩や身分を超えて人々を結びつける存在として天皇が浮上し、版籍奉還・廃藩置県によって領主と領民の関係を解体、「領土・国民・主権」を備えた近代国家へ再編された(p128、p135、p141)。さらに外交の中央集権化、徴兵制・師団制によって国家体制を整え、日清戦争を経て日本自身が東アジアへ進出する側となった(p152-155、p167、p187、p196-199)。明治維新とは、世界のルールが変わる中で、日本という国家そのものを作り替えた変革だったのである。
summary
世界史の中の明治維新