suu3.jp 戻る

summary

日本は世界1位の政府資産大国

日本は世界1位の政府資産大国の写真

来年の4月で社会人になって25年が経過します。その間ずっと言われてきたことが日本政府は破綻する可能性があるということです。少なくとも私の中ではその種の本に興味があったので何冊も読んできました。

新入社員だった私は驚いて、日本はどうなることか、自分はどうすれば良いのかを、それらの本を読みながら真剣に考えていた時期もありました。あれから20年以上が経過して、破綻本は少なくなり、その代りに「なぜ破綻しないのか、それはどのような指標、データで説明できるか」という本が増えてきて、それに対して反論する本が私が見る限り、見当たらない現状に至っています。

さて、この本は巷でよく言われている「日本政府の借金は国民一人当たりいくら」という内容に真っ向から勝負している本です。日本政府の純負債(=負債-資産)はそれほど多くなく、日本の政府資産は、G7でもアメリカ以上にある1位で、その資産で現金化できるモノも多くあり、できないモノでさえ証券化等を利用できることをの述べています。

また数ある特別会計で不要なものを具体的に取り上げて説明しています、流石は元財務省のお役人さんで、日本政府のバランスシートを初めて作成しただけのお方です。彼の言っていることに説得力を感じました。

以前、誰かの書かれた本で、埋蔵金は今まで溜まっていたものなので、一度使ってしまうと次は無いという議論がありましたが、この本の著者である高橋氏は、埋蔵金とは毎年の予算で使いきれなかったのが溜まったものなので、今の予算編成の仕方(予算が足りなくなることを恐れて余分に計上する)が変わらない限り、埋蔵金はなくならない、という考え方も納得しました。

高橋氏の本は、財務省や現状で利益を享受している一部の人には、厄介な本かもしれませんが庶民や、日本政府の財政を正常化したい人にとっては朗報だと思いました。

以下は気になったポイントです。

・国のバランスシートには財務省にとっても不都合な真実が書かれている、2012.3末現在で、負債合計1088兆円、資産合計629兆円である(p4)

・日本の純債務は459兆円ほどで、GDP比率で85%になる、これは日本の課税権で埋まることになる(p19)

・阪神淡路大震災のときも、歳出は9.2兆円の国債発行でほとんどが賄われた(p39)

・2011年度の国債発行計画の発行額は合計170兆円、新規:44兆円、借換:111兆円、財投債:14兆円である(p45)

・現役時の何割を年金でもらうかを所得代替率というが、ギリシア:96%、日本:34%、日本以外のG7は48%である(p54)

・国債費は全額が利払いに充てられず、実際には半額程度、残りは減債精度と呼ばれる基金に積み立てられる、この部分はマスコミは伝えない(p62、65)

・金融資産428兆円のうち、財務省が取り崩せないという年金積立金や110兆円程度、残りの300兆円はすぐに売れるはず(p92)

・他の特別会計の埋蔵金も毎年積み重なって溜まったモノである(p104)