suu3.jp 戻る

summary

「日本文明」の真価

「日本文明」の真価の写真

20年以上前に読んで目から鱗が落ちた本です、普通はレビューを書いたら近隣の図書館に寄付しますが、この本だけは本棚に置いています、久しぶりに読み返してみるtことにしました、かなり前に書かれていますが、日本の素晴らしさ、西洋や近隣諸国との違いを文明の観点から述べられています。

この本を読むことで、学生や会社員時代は外国語(英語や中国語)が中心でしたが、時間と精神的に余裕ができた今は、日本語や古典にも挑戦したく思いました。

以下は気になったポイントです。

・人と動物と分ける、 人のひとたる所以を5つ選んだ、1) 人は環境に適応し利用する動物であること、2) 手の動物であること、3) 時間の動物であること、4)言語 動物であること、5) 宗教 動物であること。 次に この5要素 それぞれについて、日本と外国の文化の違いを対比した。 日本は手の文化であること、西洋人は足の文化であること、さらに 言語における日本語と欧米語の違い、宗教における多神教と一神教との対比を試みた くて以上によって外国と異なる日本的なるものが自ずと 浮かび上がるはずだと考えた。この分析を通して日本文明とは、従来 考えられた中国文明から枝分かれした派生 文明でもなく 、 西洋文明のものまね 文明でもないことが明らかになった (p4)

・本書では、文化と文明をほとんど同じ意味で使っている。文化は 各民族の暮らしの立て方、行き方の総体である。これが 求心性を得て、地域を超えて 他に影響を与えたり 国々の文化を対比する時には、文明として扱うことにしている(p6)

・日本列島の大陸への つかず離れずの地理的位置が、大陸の侵略に飲み込まれず、文明 輸入にも 取捨選択の自由を与えることになった。このつかず 離れずの準 独立の立場が中心 文明が衰退しても 共倒れすることを免れるようにとなった(p20)

・ 遣唐使派遣の国家事業は、 菅原道真の進言によって 歌 天皇の894年に中止された、そして明治の初めに 日清修好条規が締結される 1871年までの約1000 年間 中国との正式な国交関係は絶えたままになっていた(p26)

・ 東アジアは長い間、中華帝国という巨大な伝統的原価 国家によって 朝貢秩序の下で一応の安定が維持されてきた。この秩序が破られるのは 清帝国 が 西洋列強のイギリスに、 アヘン戦争で敗れた1842年からである(p38)

・租界とは言論の自由を保証してくれる場所であり、生命財産の安全を保証してくれる場所でもあった。 上海 租界の 経済的効果の原理を利用したのが 鄧小平の改革開放政策であった(p46)

・ 日本に鉄道 が 普及したのも、細長い 国土の形態と、人口 居住が海岸線ばかりでなく 内陸でも 河川に沿って 線状に配列されていたから (p69)

・日本の風土の特色を世界にすると 比較すると 次の6つの概念に要約することができる、1)豊饒、2)繊細、3)多彩、4)生気 (生命力た充ち活き活きしている)、5)湿潤(瑞々しく潤いがある)、6)温暖(p75)

・ 欧米人は 厳しい環境に囲まれているので自然を対立するもの、征服する対象と見るか、日本人は自然を生きる 恵みを与えてくれるものとして感謝し 尊敬し、これと調和して暮らしてきた。そのため 宗教にしても彼らは 排他的で独裁的な征服教的 思想を持つキリスト教 や イスラム教のような一神教になる。 対する日本は自然に逆らわず 自然の中に神を見て畏敬し、 自然と一体とだろうとする寛容な 思想の多神教の神道となる(p93)

・ 穢れが 微生物の作用であることを知る 以前から、日本人は、塩・火・水などによって これらを清める(殺菌)方法を経験的に知っていた。従って、塩・火・水は、神聖なものであり 神の行事には欠かせないものとなった(p102)

・ 人類は 超越的絶対者、神聖、 心霊的なものの存在を信じ、これを畏怖し 尊び、その力を頼る 信仰心を持ち 、そのための様々な宗教儀礼を行ってきた。人は宗教的動物という宿命を背負っている、ここが動物と違うところである。 その進行・宗教の様態は、人種・民族・国によってかなり異なる。その違いが、歴史・文化・政治・社会の差を生む 根本要因となっている(p196)

・神道には、 近代 宗教がグ具備すべきとされる 3条件が揃っていない、 1)特定の教祖、2)経典、3)宣教師、 明治になって欧米人のいうところの Religionを宗教と翻訳するまで、日本には宗教という概念さえなかった(p198)

・神道の特徴で忘れてはならないのはその労働観である、 天照大神は 機織りを、男神たちは田畑を耕作し、お稲荷様は 稲の束をつかんで運んでおられる。最高の神官である天皇は、国民を代表して 田植えと稲刈りを、皇后様は蚕を飼っている。神が労働している宗教は世界で神道だけである。 キリスト教では労働は卑しい苦役で天罰と見なされる。 そこで 子孫の白人たちは、嫌な労働を家畜や奴隷にやらせて自分たちは遊び暮らすという発想が生まれた。 これに対して日本では、働くことは生きる喜びの一つで 「欣労」と言って働くことを軽蔑しない(p204)

・ 人間が時間を認識できたのは、人間が人為的に これを区切ったからである。太陽の周りを回転する地球を人間が勝手に止めて、ここが 紀元元年だとか 元旦だとか決めたものである。 このように 無限定なものを限定するのが人間の当為である(p148) 時間は 区切ることによって認識され、時間意識が高まる。時間を大切にし 時間を有効に活用するようになる 点また時間は 区切ることで、目標は決まり、生活が計画的になる(p150)

・ 日本語には他の言語にはない様々な特色がある、1) 欧米語がアルファベットのわずか26文字を主体に表現されるのに対して、日本語はカタカナ・ひらがな・漢字 と3種類の文字を持ち、 さらにそれを自由に組み合わせて使用する 極めてまれな言語である、2) 欧米語が表音文字の組み合わせ、中国語 が 表意文字の組み合わせ なのに対し、日本語はかなの 表音文字と漢字の表意 文字を組み合わせている、3) 全く同じ名詞や事柄に、少なくとも3通りの表現が使われている。和語(大和言葉)、漢語、洋語である(p177)

・ 日本が東南アジアや中近東の国々に比べてどうしてこれほど早く ヨーロッパ文明を受け入れることができたのか、それは明治時代に輸出 文化を日本が受け入れるに至った時、ヨーロッパ語を一度 ろ過する漢字という媒体があったからだ。 漢字二語を一語として 日本語の中に組み込めたからだ(p189)

・キリスト教は家畜を殺して暮らす 遊牧民 や狩猟牧畜のために都合の良い宗教になっている。彼らが 多民族を侵略したり 戦争を仕掛けて勝てばその民族は殺されるか 奴隷にされる、 奴隷は人間でなく、牛や羊の家畜と同列の扱いとなる。奴隷は家畜 だからこき使おうが殺そうが勝手で、そこには「酷い」とか 罪の意識は全く感じないですむ。 神が自分の姿に似せて作ったという人間とは白人のことであって、黒人のごときは神を侮辱する獣であるから絶滅させるのが 神の意志だという 論理になる(p210)

・一人の人間が存在するためには父母という2人の親が必要、10代前まで 遡ると先祖の数は1000人 台に、30代前では10億人を超える。ところが 124代前の神武天皇の昔から日本の国土に生きてきた日本人の数は たった4から5億人と推計されている 。だから 相互に親を、先祖を何度も共有し 当店 親戚同士でなければ 数が合わない。誰でも日本人はどこかで天皇家とぶつからねば自己は存在しなかったのである(p220)

・天皇の 第一の仕事は「神事を先にし、他事を後にす」ただ黙って担がれているだけで満足している、第二の仕事は、日本の文化と伝統を守、これを後代に誤りなく伝えること、暦を作り、時代転換を期する「元号大権」を持っていた(p223)

・ 中国から 漢字・律令制・仏教・ 儒教を輸入しても、易姓革命・科挙・かん官・纒足・辨髪・父制制社会・食人習慣は、断固拒否した(p240)