・今回の世界的経済危機とその回復が1970、80,90年代の景気後退と決定的に違うのは、富める工業国のインフレによる危機でなく、デフレと債務超過の危機に直面している点(p18)
・グローバリゼーションの長所は、各国が貿易や資本移動を通じて地球規模で結ばれているので、景気が回復すれば、ある国の経済回復で他国も潤う(p23)
・経済ショックが起きても、1)WTOの存在と、そこで作られた全条約2)G20サミットの存在、により保護主義の拡大がなされないのが現在の特徴である(p24)
・日本の国内需要が弱かった理由として、1)デフレと賃金低下、2)サービス業分野での生産性と効率の向上ができなかった、である(p30)
・製造業の割合が多い日本とドイツ(全GDPに占める割合:20%)は、米英(12%程度)に比べて経済回復が遅い(p35)
・製造業とサービス業を区分するのは古い考えであり、現在では、「知識集約型」と「非知識集約型」で区分すべき(p36)
・2008年危機がアメリカのサブプライム債権市場に端を発したが、最大の損失を受けたのは大手投資家が多かった欧州で、なかでもドイツとスイスの銀行である(p92)
・ブレトンウッズ会議に参加した44カ国は、3つの国際機関(GATT:先進国間の貿易自由化、IMF:先進国間の融資、世界銀行:国際復興開発銀行)を設立することで、為替相場を管理するシステムを構築した(p100)
・中国が人民元の切り上げ、あるいは変動為替相場制にいつ移行するかは、中国がインフレからくる苦しみをいつ始めるかである(p110)
・中国の経済発展を支えたのは、外国からのアイディア、テクノロジー、ライセンスの供与、海外からの直接投資、公然たる盗作及び、割安になる固定為替相場制にある、これは日本が1950、60年代にとったのと同手法である(p122)
・地球の資源は、レアメタルや貴重な金属を除いては豊富に残っている、BP社(世界エネルギー統計調査)によれば、現行消費ベースで、石炭:150年、天然ガス:60年、石油:40年以上である(p136)
・中国インドでは、政治的な理由から、燃料小売価格が規制や補助金で抑えられているので、資源高騰による衝撃は、消費者や企業に転嫁されず、政府財政に吸収された、従って新エネルギーへの投資が先進国と比べて無かった(p142)
・今世紀、世界が実際に直面している人口統計上の問題は、人口過剰ではなく、高齢化である(p158)
・スマートグリッドが構築できれば、使用者が電気消費量を効率的に管理できるだけでなく、小規模発電事業者が送電網に電気を供給することが可能になる(p161)
・中国の人民元切り上げにより、1)中国が主要な金融センターとして台頭、2)通貨取引は人民元が中心に、3)中国企業を高級品志向にさせる、である(p208)