・アメリカの住宅バブルが再発しない限り(住宅価格に応じてローンが容易に借りられる)、日本の輸出バブルを再現することはできない(p5)
・経済危機によって欧米諸国が金利を下げてしまい、日本との短期金利差がなくなってしまったため、円安になることは考えにくい(p6)
・アメリカの日本からの輸入が落ち込み、中国からのは落ち込みが少ないのは、日本からは自動車という高価格の耐久消費財が中心、中国は非耐久消費財(安価)のため(p13)
・日本と中国の輸出回復度が異なるのは、1)中国輸出が衣料などの低価格製品、2)元レートが2008年以来1ドル=6.8元で固定されていたため価格競争力が維持可能(p18)
・金融業は事業拡張時には投資はあまり必要としないので縮小時には雇用調整のみで可能、製造業は設備投資が必要だが需要急減により過剰設備となる(p55)
・アメリカが回復しているにもかからわず日本が回復できないのは、製造業の比率が日本は高い輸出国だから(p60)
・日本における雇用調整助成金の対象者は事実上「企業内失業者」と見るべき、これを2009年5月に当てはめると、公式発表の5%は9%以上になる(p65)
・派遣の禁止や最低賃金の引き上げは、既存採用者の立場からみたもので、実際に導入されれば企業は雇用を減らすだろう(p73)
・GDPには固定資本減耗が含まれている、自由に処分できる所得はGDPからそれを差し引いたもので、2007年現在で、それはGDPの20%を占める(p79)
・2009年の日本の製造業は全体として赤字となり、ソ連の末期と同様になった(p87)
・JALの企業年金は運用利回りとして年利:4.5%を採用していて問題となったが、国の年金は、4.1%を採用している(p108)
・GMやクライスラーが破綻した理由として、1)企業一家的な雇用形態(日本企業の特徴)、2)技術開発を行った、3)2002年から実質為替レートが著しい円安、である(p113)
・自動車が水平分業できないのは、1)部品の標準化が進んでいない、2)自動車メーカーが古い体質の企業、だから(p125)
・懸念されるのは、製造業が日本の農業のように政府支援に依存する体質になってしまうこと(p135)
・アメリカはある側面では厳しい階級社会であり、工場内で工員が幹部をファーストネームで呼ぶことはあり得ない(p145)
・中国やインドの成長率が高いのは、1)農業国から工業国への過程であり当然、2)中国においては政府の需要拡大策のため、3)中国の輸出品は日用品が主である(p152)
・2009年12月にシティとウェルズ・ファーゴが公的資金を返済したことで、アメリカ金融大手6社が政府支援をほぼ離脱した(p157)
・中国のGDPのうち消費は30%に過ぎず、先進国経済とは著しく異なる姿、従って、中国の長期的な成長可能性は依然として欧米経済の動向によって決まる、インドも同様(p179)
・中国は為替レート維持のために相当規模の元売りドル買い介入を行っている、これは国内の金融緩和をもたらしインフレ圧力を与える(p191)
・国際エネルギー機関は、中国政府が発表した2009年1QのGDP成長率:6.1%に対して、石油需要や電力使用量の低下と矛盾すると疑問を表明した、エネルギー消費から考えたGDP成長率は4.4%程度(p201)
・中国の成長率が9%になってもGDPはアメリカの3分の1なので、それによる需要増はアメリカの成長率が3%なのと同じ(p238)
2010/11/14作成