・1960年代に日本の経営は終身雇用であるとアベグレンが彼の著作の中で記したが、彼が調査したのは典型的な大資本の大工場のみ、中小規模の工場では全くの転職社会(p10)
・1970年代前半に、20代前半の年間転職率は20%のであった、最近では大卒3年で3割が転職とあまり変わらない、あり得る姿は、若年時に数回の転職をして30代までに決定して、その後に定年まで勤める(p11)
・80年代よりも2000年以降のほうが勤続年数は長い、長期雇用慣行は強化こそすれ、崩壊していない(p13)
・男性正社員の驚異的定着の裏に、男性非正規雇用者と、女性が雇用の緩衝材となった(p17)
・生涯賃金を考えると、転職は2回程度にしておくのが正しい、40歳の場合、転職ゼロの平均年収:731に対して、697(1回)、618(2回)である(p24)
・高校卒3年離職率はこの15年間変化ないが、大卒は増加傾向にある、この理由は、90年以降に大学進学率がアップして、卒業者が30%以上の増加したから(p30)
・給与差が広がっているのは事実であるが、大企業の40代以上で、過去比較で平均6%(上に3%下に3%)程度(p37)
・業界全体は、製造派遣解禁とともに、請負(請負会社の直接雇用)から派遣へと事業転換してきたというのが実情で、ほぼ同じ待遇で働いている(p48)
・生産年齢人口は1996年にピークとなり、もう12年も減少(600万人、8%)している、正社員数は1998年に3800万人でピークとなり、現在3400万人強(380万人減少)両者はほぼリンクしている(p55)
・生産年齢人口あたりの正社員比率は41%程度をこの20年以上キープしている、正社員も非正社員(正社員は1984年から20年間で3441万人:108万人増加) も増えている(p57)
・少子高齢化は、大学で言えば、非ブランド校が打撃を受け、職業でいえば、非ホワイトカラー職が打撃をうける(p75)
・ジニ係数は、全国消費実態調査は二人以上世帯のみで算出しているため、ジニ係数の拡大傾向は弱くなっている、1979年から2003年までで、0.26から0.30程度(p85)
・ジニ係数は、長期的に見ると、小泉改革以前から格差が広がっていることを示すが、それはあまり語られない(p92)
・製造派遣などの職務は3年以上の契約更新が不可能、継続する場合には、直接雇用義務が発生、この運用開始が2006年3月から(p94)
・近年の若年正社員の減少は、1)総人口の減少、2)大学・大学院への進学率アップによる就学中の人の増加が、要因となっている(p106)
・20年前だと高卒就職者:51万人、大卒就職者:30万人だったのが、現在は各々、17万人、40万人になっている、その結果、かつて大学をでたら就けると思われていた仕事は枯渇状態(p107)
・1984年と現在を比較すると、正社員の数は減少どころか108万人増えている一方で、「自営+家族従業員」は653万人減少している、小規模法人を入れると1000万人近い減少、これより、かつてなら零細商工の従業員が非正規になったと考えられる(p119)
・長期トレンドで失業率が上がり続けるのは、経済発展による社会の成熟、経済の成熟は、1)成長率の低下、2)ミスマッチにより失業率の上昇を引き起こす(p124)
・日本は40年前までは中進国だった、1967年にGNPで資本主義2位になったが、当時の日本は、イギリス・フランス・西ドイツ・イタリアの2倍強の人口であった、人件費が安く進学率が高いので、安価で質のよい労働力を活用できる日本企業は成長を続けることができた(p196)
・1980年半ばまで、日本は欧米比で、人件費が今の韓国並み、だから世界に出る必要はなく、日本で作れば世界一安い製品が作れた(p196)
・60年代の猛烈な少年犯罪多発社会を日本はどのように変えてきたか、1)経済成長による所得アップ、2)高学歴化(高校進学率アップ)、3)進学競争による日本型生徒管理システムの完成、がある(p202)
2010/11/27作成