suu3.jp 戻る

summary

日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ (文春新書)

日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ (文春新書)の写真

・世界最高品質、シェア一位の企業が凋落するには共通する原因がある、それは、パラダイムシフトに対応できず「イノベーションのジレンマ」に陥った、つまり、既存顧客の要求に忠実に耳を傾けるあまり、性能や品質に劣るが「安い、小さい、使いやすい」特徴を持った破壊的技術に駆逐されること(p13)

・技術力には、高位品質をつくる・高性能をつくる・低コストでつくる・短時間でつくる技術等、様々な評価軸がある、ひとつの評価軸において高いだけで「日本の技術力は高い」というのは大きな間違い(p22)

・創造とは「無から有を生み出す」のではない、「2つ以上の事柄を統合する、一種の模倣能力」(p25)

・AMAT(アプライドマテリアルズ)は、1992年以降、半導体製造装置で世界一、2013.9.24に世界3位の東京エレクトロンと統合発表した(p32)

・オバマ大統領の製造業輸出5倍計画は、再生エネルギーによるグリーン革命は失敗したが、3Dプリンター、ロボティックス、脳科学、サイバーセキュリティ産業は大進歩、シェール・オイル革命も追い風(p33)

・半導体製造には、多くの要素技術を精密にすり合わせるインテグレーション技術と、歩留まりを向上させる量産技術が必要である(p58)

・日本半導体メーカは、大型コンピュータ用に製造した25年保証の高品質DRAMを、PCに転売したが、明らかに過剰品質であった(p63)

・製造工程の洗浄液に互換性がないという事実、これがエルピーダのDRAMシェアを低下させた原因(p70)

・日立、NEC出身者のほとんどが「経営、戦略、コストで負けた」と言ったのに対して、三菱出身者は、「安くつくる技術に問題があった」ことを認めていた(p82)

・後から考えると、日立が新技術の研究開発を行い、三菱がインテグレーション技術を担当、NECが量産工場の生産技術に専念すれば良かったかもしれない(p86)

・サムスン電子では、開発から量産へ、またはその逆がありチームが入れ替わる。最初から量産立ち上げを視野に入れて歩留まりを向上しやすい工程フローを構築する必要がある、日立では、研究所・開発センター・量産工場とヒエラルキーがある(p94)

・会社組織では、人間は能力の極限まで出世する、すると有能な平社員も無能な中間管理職となる、こうなるとあらゆる職責を果たせない無能な人間によって占められる。仕事は、まだ無能レベルに達していない者によって行われる。ピーターの法則(p101)

・東日本大震災の影響を最も受けたのは、トヨタ(特にプリウス)であった。茨城県にある那珂工場が直接被害を受けたから、トヨタのマイコン:ECU(機能の90%を制御)を作っていた(p148)

・ルネサスの那珂工場はラインの稼働率を上げるために、利益の出ないECUを作らざるを得なかった(p159)

・シュムペーターは、イノベーションとは発明と市場の新結合とした、つまり、爆発的に普及した新製品、普及が大事なのであって、技術が革新的かどうかは一切関係ない、ここが日本人が誤解しているポイント(p170)

・サムスンにとって、マーケティングとは「市場創造」である、これも日本では誤解されている、市場統計・市場調査と考えている(p179,180)

・インテルは iPhone用プロセッサ製造を断り、韓国サムスン電子が製造することになった、これによりファンドリービジネスで3年間で10位から3位に躍進した(p201)

・日本が弱体化した分野には共通要因がある、標準化・プラットフォーム化・モジュール化がしやすい分野(露光装置、ドライエッチング、検査装置、成膜装置)である、一方で、ハードウェアと液体材料の摺合せに必要な部分はドキュメント化ができない暗黙知が多く、標準化・モジュール化が難しい(p217,223)

・日本半導体メーカが、微細性・精度を強調するのに対して、韓国・台湾半導体メーカは、スループット(時間当たりウエハ処理数)である(p219)

・1台40-50億円もする装置を、導入から9-14日で製造に使うか、40日弱も無駄な性能試験をやるか、この差が高コストにつながる(p223)

・新市場の発明をするには、誰かの幸せに役立たなければならない、市場ができる前に、その幸せがイメージ(何をどうかえたいか)できなければならない(p243)