・今都心で高額マンションが売れているのは、1)中国人が海外に資産を分散させるため、2)相続税が上がるので不動産は評価が低いために相続税対策、が理由(p13)
・アメリカは、OECD諸国の中で、25%と低賃金労働者(3,5万ドル以下)の雇用者全体に占める比率が一番高い(p23)
・経営者の報酬を上げるために、自社株買いや高配当して企業資金を多く使うので、研究開発・設備投資にお金が向かない。会社の将来を売り渡すような経営諸法が蔓延している。借金依存を高めるこのような方法は昔であれば排斥されていた(p25、26)
・アメリカには、65歳以上と障害者用にメディケア、低所得者用にメディケイドという医療保険制度がある。企業に勤務している人は団体保険に加入するが、かなり割高な保険料を支払わざるを得ない。(p30)
・オバマケアにより、保険加入者は以後10年間(2014年1月開始)で、83→94%にッ上昇する予定(p30)
・フードスタンプは日本では社会保障の一環と考えられているようだが、アメリカの本来の位置づけは農業支援。嗜好品以外の食料にしか使えない金券、野菜・穀物・肉・酪農製品等には使えるが、酒やたばこ等の嗜好品や、そのまま食べれるファーストフードには使えない(p34)
・不衛生な環境で食肉は飼育されているが、食肉産業は四大大手で牛耳られているので、ロビイストを使って牛の飼育を清潔にするための法案はすべて潰されている(p36)
・莫大な宣伝料をグーグルに支払う会社が多くなったのは、グーグルでは著作権料を払わずにタダでみることができる(p38)
・アメリカは自国利益のために著作権を長期化しようとしている一方で、グーグルのような企業には著作権フリーを世界中に認めさせようとしている(p38)
・今でもアメリカでは、カトリック信者はプロテスタントよりも一段下に見られる。ギリシア正教、ロシア正教等は、カトリックよりはるかに下に見られる(p49)
・オバマ大統領は、アメリカ黒人の血はまったく入っていない。高等教育を受けたアフリカ黒人(ケニア人)と、ハワイ大学留学中にカンザス州出身の白人女性との間に生まれた(p53)
・階層の上を占めているのは、WASP、そして、ドイツ系・オランダ系・フランス系という序列。アイルランド系は12%もいるがケネディ家はレアケース、それはカトリックなので。成功しているフランス系の家系をたどると、ユグノーであった人が多い(p59)
・アメリカの中間層とは、上から20%を除いた、下のほうの80%のうちの半分くらい。年収レベルは、400~600万円レベル(p69)
・ネットショップ拡大と言われるが、数量的には、ウォルマート・クラスのチェーン店がバタバタと店を閉めていくほど増えていない。中流以下の人達がお金を使わなくなっている(p75)
・アメリカは60歳を超えると、医療費が激増する。60歳で1万ドルが、70歳で2万ドルであり、欧米諸国比較で群を抜いている(p81)
・アメリカの小売業が長期衰退に転じたのは、業界大手のウォルマートがガリバー型寡占の地位を確立して、無能な経営者しかいなくなってから(p93)
・社外取締役制度は、監視制度どころか、経営者同士の互助組織、利益共同体になっている(p94)
・アメリカで従業員にとって働きやすい会社は、ハイテク、医療・薬品、エネルギー産業など、利権化している産業ばかり(p105)
・1946年、アメリカが第二次世界大戦に勝った直後に、ロビイング規制法が成立した。これは他の国では、贈収賄にあたる犯罪であっても、連邦議会に登録して、自分の会社の財務諸表を四半期ごとに公表している「ロビイスト」に頼めば、正当で合法的な政治活動と認めるというもの(p106)
・ロビイストを積極的に使っている4大業界は、金融・エネルギー・薬品医療・非営利団体(制約会社と医者の職業団体、病院経営者団体)、さらに軍事産業も入る(p106、115)
・S&L危機(1980年代)にでは、不正のために実際に刑事訴追を受けた経営者がいた(1800人以上が告訴されて半分が有罪)が、アジア通貨危機、ロシア危機、ITバブル崩壊では、そのような例は無かった(p113)
・アメリカでは、都市化の進んだ州の知事職、大都市の市長職は何十年もの間、民主党の独占となっている。市の職員組合に支出・年金をばらまく時の受け皿は、非営利団体が関与している(p118)
・アメリカの自動車産業は、軍需産業であるという位置づけを知らなかったら、なぜアメリカ中の保守派がGMのような企業を生き延びさせようとしているのかがわからないだろう(p123)
・第二次世界大戦で日本が本当に負けた理由は、大規模なGMやフォードの組み立てラインであった。普通の軍需産業から吐き出される、数倍、数十倍の量で生産された戦闘機、爆撃機、戦車、装甲車両が勝敗を決した(p124)
・アメリカの軍需産業を現状の規模のままにさせるには、3年に一度は戦争をしかけなければならない計算になる。特にイスラム教諸国は、アメリカが起こした戦争によって本当に苦しんでいる(p127、129)
・アメリカでは一流大学1年間で日本円にして、600万円以上の学費がかかるので、卒業までに2400万円かかる(p134)
・営利事業大学は、学生を大量に募集して、その学生に学費ローンを申請させることはうまいが、ほとんどまっとうな教育を授ける能力は無い。数年在籍してから転校するほうが、新入生として受かるよりも楽に確実に良い学歴が得られると宣伝している(p137)
・死刑、または1年以上の刑が科せられる重罪の前科が二回以上ある者が三回目の有罪判決を受けたら、三回目がどんなに微罪であっても、終身刑を課せられる法律がある。またカリフォルニア州は、NY州とならんで刑務所の民営化が進んでいる(p140)
・アメリカでは、一流企業が率先して微罪でも長期にわたって刑務所暮らしをさせられる人達や、終身刑が適用される人達の労働力を活用している(p142)
・刑務所経営は、大学経営と並んで、高度成長を続けている有望産業である。アメリカ製造業の復活は、受刑者たちが異常な低賃金で働かされているから実現されたと極論されることもある(p144)
・ニュージャージー州のカムデン市は、警察を解散した。その市でまだ生き残っているのは、ドラッグ密売と、売春業のみと言われる(p147)
・利益率が低く、万年赤字で今にもつぶれそうな会社が多いという業界が、消費者にとっては、選択の自由を保障している(p152)
・アメリカの製造業の中で生き延びていけるのは、何等かの特定のニーズを掘り当てて、ニッチ市場を確立できた会社だけだろう。例として、製造業と情報通信産業の中間的な業態である、マイクロソフトやインテルなど(p153)
・アメリカ経済の強みとして、新しいビジネスを起業する能力が世界一高いことがある。日本経済の「ものづくり」に対して(p160)
・新生児においては、黒人とヒスパニックを足すと、50%を超えている。白人以外の人口増加は、格差の拡大を生んで社会不安の大きな原因となる(p161)
・中国において、数十代以上続いてきた自分達の姓を絶やすことに、大きな罪悪感を持っているので、そんな兵士たちが大きな戦争を起こすとは思えない(p174)
・世界経済史を見ると、オランダがなぜ市場経済が発展したときにトップになったのか。それはオランダの企業利益率が一番低かったから。その次にトップになったのがイギリス、そしてアメリカ。経済が繁栄していて、時代の経済のトップにたつ国は必ず利益率が低い(p177)
・世界経済が縮小に向かっている理由の一つは、製造業で使う資源の量が減っているから。サービス業主体の経済になりつつある(p179)
・この20年間において日本のGDPが増えなかったのは、勤労者の数が減り始めたから。勤労者一人当たりのGDPの増え方(自国通貨ベース)では、高い伸びである。さらに理由を挙げると、資源に依存する度合いが一番高い(p182、184)
・日本株全体が、政府・日銀・年金事業団・ゆうちょ、と言った公的資金によって人為的に高値を維持されている時代に、株式市場に資金を入れたら手痛い損失を蒙るのは目に見えている(p192)