・日本政府はギリシアと異なって、日銀という「打ち出の小づち」を持っていて、紙幣を刷って国債と引き換えて政府に渡せるので、資金繰り倒産はありえない。実際に刷るのではなく、民間金融機関が日銀にもっている当座預金口座に資金を振り込む(p5、40、61)
・今年度は、152兆.6兆円の新発債と借換債を発行するうち、日銀は110兆円(72%)も市場から買う。国債を購入する際に、ほんの一瞬、市場にタッチさせている(p6)
・国際公約である、消費者物価指数2%が達成された時こそが怖い、それが達成されれば、日銀は「異次元の量的緩和」を中止しなくてはならない。7割を購入している買い手がいなくなったら市場は大暴落するだろう(p8)
・膨大な累積赤字を見て、保険としてドルを買ったが、Xデーが起こらず円高ドル安が起きた場合には、「その損は火事に対する火災保険料とおなじだ」と思いながら本を読んでほしい(p12)
・ギリシア政府は、国内からユーロが流出するのを防ぐために、銀行窓口を閉鎖し、ATMからの預金引き出しを1日60ユーロ(約8000円)に制限した、これは2週間以上続いて大混乱となった。(p24)
・名目運用利回り>名目GDP成長率ならば、年金財政は維持できるといいながら、ドーマーの定理は、名目GDP成長率>名目長期金利なら、借金が減ることを示している。これは明らかに矛盾している。つまり、国の財政が持続可能ならば年金が保たない、年金が持続可能ならば、国の財政が保たない、達成できるのはどちらか片方(p39)
・財政破綻を免れる方法は2つしかない、1)大増税して歳出も大幅に下げる、2)インフレを起こす。量的緩和により通貨の価値を落とす(p53)
・大規模な量的緩和をするために、日銀は長期国債に関する「日銀券ルール」を一時的に凍結した、日銀が保有する長期国債の額を、市中に出回る日銀券の発行残高以下にするという自主ルール(p58)
・CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が低いとは、倒産や支払い停止の確率が低いことを示す。これはハイパーインフレが起こるリスクを示しているわけではない。金利が低いのは、日銀が国債を買い占めているから(p67、68)
・日本の量的緩和は八割がた失敗に終わり、円が急落する恐れが高いので、政府は資本規制に踏み切らざるを得ない。2016年後半には起こり得る(p71)
・1998年に国債発行額76兆円のうち、20%を購入していた大蔵省資金運用部が買い入れ停止する、と情報が流れただけで、長期金利が0.8%から2.4%へ上昇した(p73)
・月間インフレ率ランキングによれば、1位はハンガリー(1946.7)で、1日のインフレ率は207%、15時間で値段が倍になった。2位は、ジンバブエ(2008.11)、3位:ユーゴスラビア(1994.1)、有名なドイツ(1923.10)は、第四位、その次がギリシア(1944.10)(p75)
・利上げは、米国のようにテーパリング(量的金融緩和の縮小)を終えた後にできるもの、米国でそれができたのは、米国の財政状況が急速に良くなっていて新発国債があまり発行されてこないので(p85)
・安倍首相が本当にやりたいのは、消費者物価を5-7%インフレにして10年続けて、累積赤字を実質半分にすることではないか(p86)
・10年前であれば、円安を徐々に進める方法は、マイナス金利・為替益の一定額無税化・ドル建て日本国債の発行、があったが、今のとなっては、円安政策も難しい(p90)
・日銀が異次元量的緩和を始めた最大の目的は、国の資金繰り倒産を防ぐ(マイタイゼーション)であるが、正直に言えないので「デフレ脱却=2%インフレ」と言っている(p98)
・バブル期にインフレが起きなかったのは、同時に急速に円高が進んでいたから(p101)
・日米金利差の拡大持続が明確になった場合には、円安ドル高が急激に進む(p103)
・今後のBIS規制が改正される(2016年中にまとまり2019年適用)と、銀行の国債保有意欲は著しく落ちる(p106)
・アメリカの経常収支と財政収支は、双子の黒字になる勢い。日本は双子の赤字になりつつある(p117)
・ドル建て資産の持ち方としてお薦めなのは、「ドル建てMMF」。証券会社や銀行で購入可能(p120、122)
・ベアとは、熊が攻撃するときに手を上から下へおろすから、値段が下がると儲かるファンドを、「ベアファンド」という。反対はブル(攻撃するときに角を振り上げる牡牛)という(p135)
・ヘッジ手段として意外と悪くないのが、国内不動産である。不動産価格を決める一番の要因は、インフレになるか否かであって、人口減少では無い(p137、138)
・最強のインフレ策は、世界のどこへ行っても飯を食っていける自分、になっておくこと(p147)
・英語が下手だから、という理由で外資系企業で働くことを諦めているのであれば、「あきらめずに、とりあえず飛び込んでみる」ことをお薦めする(p166)
・英語が母国語でない国の人達は、似たり寄ったりの、ひどい英語を話している(p172)
・専門分野を極めるという観点から言うと、今、マイナーな部署にいる人は、実はチャンスかも(p177)
・外国では、どんなに仕事ができても、自国の歴史と文化が話せない人は、尊敬されない(p200)
・市場価値を高める上で伝えたいことは、自分の長所だけではなく、「欠点を生かす視点」を持つこと(p205)