・この本は、この10年間で起こった栄養学の変化がどのようなものかを伝えて、緩やかな糖質制限食(ロカボ)がいかに、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームに有用であるかを述べている(p6)
・2013年、日本糖尿病学会と、日本癌学会が合同委員会を作ってわかったことは、糖尿病患者の中で様々なガンが増えているということ(p20)
・本当に怖いのは、食後高血糖、現在は空腹時血糖値だけを測定しているので、異常が見つかりにくい(p26)
・炭水化物とは、1グラムあたり、4キロカロリー以上のエネルギーとを持っている「糖質」と、それ以下の「食物繊維」がある(p27)
・糖質4グラムでカロリーゼロとは、低糖質の甘味料を使っていればあり得ること(p28)
・血糖値をあげるホルモンがたくさんある(グルカゴン、成長ホルモン、ステロイドホルモン、カテコラミン、甲状腺ホルモン等)のに対して、下げるのはインスリンだけなのは、飢餓との闘いの歴史が長かったせい。飢餓状態でも血糖を保つため(p29)
・糖質の中には、糖類=単糖類(ブドウ糖、果糖)と、二糖類(砂糖、ショ糖、麦芽糖)と、それ以上に結合された多糖類や糖アルコールがある。植物が作る多糖類は「澱粉」、動物の場合は「グリコーゲン」(p31)
・糖質の少ない食品は、肉・魚・大豆製品・野菜(芋、カボチャ以外)・ナッツである(p32)
・アメリカの糖尿病学会が最近進めているのは、地中海食・DASH食・ベジタリアン・糖質制限食=ロカボ食(p35)
・血糖値を上昇させているのは糖質のみ、同じ量の白米を食べても、たんぱく質・油脂・野菜を一緒に食べた方が、上昇は防げる(p44)
・最初から血糖値を上がらないようにするためには、食事をするときの順番も大事。ポイントは、糖質を最後にする、肉・野菜・魚が最初(p45)
・食物繊維は、インスリンが筋肉と脂肪組織に働いて糖を取り込ませる働きをする。脂肪組織にだけフタをして、筋肉のほうを優先させてくれるので太りにくい体質となる(p47)
・2014年6月23日の「タイム」では、油は控えるべきである、という長く信じられてきた常識(1984年に卵とバターは控えようと働きかけた)が間違えだったと断定し、積極的にバター等の脂質を摂るべきという、最新の考え方が紹介されている(p54)
・2015年にアメリカの政府機関(日本の厚生労働省に相当)は、40年ぶりに「食事摂取基準」を改定した。その内容は、食べるコレステロールは制限しない、油も制限しない。それらは心臓病・肥満の予防につながらない、から。油の摂取率を食事全体の35%に2005年に引き上げた(それまでは30%以下)が、それを撤廃した(p57)
・2013年には、たんぱく質の制限も不要、何も良いことがないから、とした。2008年までの主張と正反対となった。現在残っているのは、魚の油と植物性の油、動物性の油、どれが良いかという問題(p60)
・現在正しいとされている栄養学は、エビデンスレベル1の「無作為比較試験」、今までは、エビデンスレベル2の観察研究であり、何等かの思い込みや誤解を含む可能性があった。レベル1の結果であれば、レベル2の結果を否定できる(p61、102)
・ブドウ糖と脂肪酸は日常における人間の体のエネルギー源、細胞によって好みが分かれる。心臓は脂肪酸、脳と赤血球はブドウ糖、脳は通常はブドウ糖だが、ブドウ糖が減ってインスリン濃度が低くなると、肝臓が脂肪酸を使ってケトン体を作って生きる、これが飢餓に対する逃げ道(p74)
・血糖値の上昇抑制という意味で、普通のご飯よりチャーハンにするのは意味があるが、その時の油は関係ない(p79)
・カロリー制限と運動量を増やすことで、体重は減量できた(10年間で6-7キロ)が、心臓病は減っていなかった。人間はアカゲザルとは違っていた、しかし体重を減らすことで骨密度を減らしてしまった(p88)
・コレステロールはエネルギー源ではないので、運動では減らすことはできない(p93)
・食べるコレステロールを減らすと、一時的に血中のコレステロールが減少するが、同じ食事を続けていても数か月で元に戻る。肝臓がつくるので(p95)
・統計学における相関関係は、かならずしも因果関係を意味しないという鉄則は覚えておくべき(p103)
・正しい栄養バランスは(以前は、炭水化物:50-60、たんぱく質:20以下、脂質:25以下)無い、個々人の体の状況に合わせて、またその人がもともと食べていたもの、その人の嗜好を参考にして、慎重に検討するもの(p105)
・食物繊維は一緒に食べることによって糖質摂取に伴う血糖上昇をなだらかにするので控えるべきでない。従って「炭水化物抜き」はよくない(p114)
・日本人は平均で1食:90-100グラムの糖質、一日では270-300グラムの糖質を食べているので、ロカボ食は、その半分程度に抑えることになる(p117)
・300人の肥満者を対象として3つのグループでテストした、1)従来法の、油もカロリーも控える、2)カロリー控えて油は食べる、3)カロリー気にせず糖質のみ控える(1日120グラム)、3つ目が最も減量に効果があった(p126)
・アメリカの糖尿病学会は食事療法のガイドラインを、2006,2008,2013年に改定している。2006年までは糖質制限はやってはいけないとしていたが、2008年には肥満治療の選択肢の一つになった、2013年には第一選択肢の一つとなった(p128)
・ロカボに向いていない人は、1)10代の子供、2)自分でインスリンを作れない1型糖尿病になって日が浅い人(p132)
・ロカボ食の大きな利点の一つは、糖質を食べるのをやめるのではなく、糖質をいかに上手に食べるかという考え方にあるから(p135)
・ロカボ食は、「食べていいですが、ここだけは変えてください、そしてお腹いっぱいになるまで食べていい」というのが特徴(p136)
・蕎麦を食べたい場合には、かしわ・卵焼きでたんぱく質を取りながら、低糖質のお酒(蒸留酒は糖質ゼロでOK)を楽しみ(肝臓の糖の放出にブレーキをかける)、〆で食べるのが良い。蕎麦湯は断る。蒸留酒とは、ウィスキー・焼酎・ジン・ウォッカ(p144、152)
・果物は健康に良いという短絡的なイメージは一度捨てて、糖質の高い嗜好品であることを頭にいれるべき(p146、148)
・人工甘味料である「エリスリトール」は、天然由来の甘味料であり、糖アルコールの範疇となるが、カロリーゼロ。体に入っても殆ど小腸に吸収されて血中へ移動してそのまま尿で排出されてエネルギーにならない(p154)
・砂糖の摂取量が1杯分ずつ増えると、悪性リンパ腫の発症率は1.7倍増える。人工甘味料は1.3倍である(p163)
・カロリー摂取を減らした場合、最もエネルギー消費の大きい筋肉から減ってしまう。そして摂取を再開すると、体脂肪で増える。綺麗になりたいときには、まずロカボの食事法を実践して、内臓脂肪を落とす。(p177)
・栄養学の大きな変化、1)マウスやサルで証明されたカロリー制限食の有効性はヒトでは証明されず、逆に有害であった、2)日本人での無作為比較試験で、糖質制限食の有効性が確認された、3)日本人の観察研究(レベル2)で、糖質摂取の少ない群で、糖質制限食の有効性が確認された(p189)
・糖質の少ない食品一覧;1)穀類:なし、2)いも類:こんにゃく、3)甘味料:人工甘味料、砂糖はだめ、4)豆類:大豆製品、枝豆、あずきはダメ、5)種実類:アーモンドなど、銀杏と栗はダメ、6)野菜、カボチャ・レンコン・トウモロコシ以外OK,7)果実類:アボガド、オリーブ、ココナッツのみOK、それ以外はダメ、8-14)きのこ、藻、魚介、肉、卵、乳(例外:コンデンスミルク)、油脂類:OK、15)アルコール:蒸留酒はOK、16)嗜好飲料:砂糖なしのコーヒーとお茶類、17)調味料:こしょう、塩、醤油、酢、白みそ以外の味噌(巻末)