・小泉氏と橋下氏の「劇場」には、賛否は別として、はっきりとした「演目=実現したい政策」があった、小泉の場合は「郵政民営化」に代表される構造改革、橋下には「大阪都構想」と銘打った大阪再編であった、しかし小池の場合には無い、強いて言えば「黒い頭のネズミ探し」(p5)
・小泉、橋下両氏は、既得権益をぶっ潰すと訴えていたが、日本の民主主義システムをぶっ壊すことはしなかった、小池氏は、築地から豊洲への市場移転という大事業を、鶴の一声で、議会に諮ることなく延期すると独断した(p6)
・2月に着工予定であった環状二号線の工事は今もストップのまま、小池が決めた市場移転の延期は、すでに東京五輪の破壊につながっている(p16)
・都知事選の公約として、1)都議会冒頭解散、2)利権追及チーム、3)舛添問題の第三者委員会設置、東京をどんな街にしたいのか、というビジョンがなかった(p17)
・我が国は、国政は「議院内閣制」、地方は「二元代表制」をとっている、国政では、首相は国民有権者から直接選ばれるのではなく、選挙の結果、議会の多数を占めた与党のトップが首班指名をうけて内閣総理大臣となり政権をつくる。これに対して、地方政治では、行政の長と議会がそれぞれ別の選挙により、直接、有権者から選ばれる。首長と議会は独立しており、これを二元代表制という(p20)
・平成28年12月28日に、東京都が豊洲新市場の建物の安全性確保と建築基準法に適合することを証明する「検査済証」を発行した、これを東京都は2月下旬まで公表しなかった(p39、58)
・石原都政の貢献として、財政再建団体への転落一歩手前の東京都政を黒字化した、ディーゼル規制で東京の空を綺麗にした、市場の件でも移転を前提として関係者をまとめたこと(p49)
・土地の売買契約成立から土壌汚染対策へと進む平成22-23年、都議会の最大会派は民主党であり、自民党ではなかった。石原都知事は民主党の提案を飲む形で、多額の金はかかるが、皆の「安心」のために厳しい環境基準での土壌汚染対策を行うことを決断した(p83)
・用地取得、建設までの6000億円は、独立採算事業として運営されるため「市場会計」というなかに独自のお金を持っていて、一般会計からの支出はゼロである(p84)
・小池が引き継ぐべきは、東京都が対策を実施し、専門家のチェックを受けた、前舛添知事がだした「安全宣言」である、この安全宣言は意外なほど知られていない。彼の金銭問題はタチの悪いものであったが、その存在をなかったかのようにするのは誤り(p87、89)
・小池と側近が目指しているのは、二元代表制という日本の地方自治システムの破壊といってよいだろう(p119)
・地方議員の場合は顔で投票する人は多いが、1年で人口の4分の1が入れ替わる東京は、地域共同体の結びつきが希薄で、政治的にも無党派層が多い。付き合いよりも、自分の意志で投票したいと考える、意識高い、人が最も多い選挙区である(p134)
・石原は都庁の職員に対して、「あなたたちの今までの仕事はダメ」と見下すことはなかった、ワンマンに見えるが、職員の提言を非常によく取り入れていた評価がある。財政健全化、ディーゼル車規制も、都庁幹部があげた懸案事項を、石原がうまく世間に投げて話題にして実現させている(p141)
・メディア対策の有効な方法は、1)頻度高く情報を頻繁に出す(Frequency)、2)わかりやすく親しみやすい調子で説明(Friendly)、3)他に先んじて情報を出す、自身が一番優位な点を発信する(First)(p146)
・地下六メートルの手の届かないところの土壌、地下水にヒステリックになる人たちが、なぜ、魚をそれを扱う人が雨風・排気ガスにさらされていることは平気なのか、築地市場には、多くのネズミ、猫、カラス、カモメ、ウミネコなど、多種多様な生き物が住んでいる(p158)
・築地か豊洲か、2つを同等であるかのように考えたり、限界に達している超老朽化している施設である築地をどうしようかと検討していること自体が馬鹿げている(p163)
・卸売市場には、築地市場のような中央卸売市場と、地方卸売市場がある。中央卸売市場とは、国(農林水産省)が認可監督する、地方卸売市場は、地方(知事)が認可・監督する施設である。小池が今更豊洲に移転しないといいだせば、国がすでに交付した補助金208億円は利息と共に返還すべき(p165)
・今もいる一部の強硬は移転反対派の言い分として、移転に際して、自分たちの財産である「営業権」を東京都に高く補償させようというものであった、そこへ共産党などが入り、土壌汚染の問題を炎上させて論点がすり替わって闘争化した(p167)
・不都合な真実として、1)築地市場の駐車場はなぜ転貸されているか、2)公共スペースがなぜ占拠されているか、3)廃業する人も多い仲卸に、新規参入者がなぜいないのか、4)東京都はなぜこれを放置しているか(p171)