・日本経済がグローバル資本主義に巻き込まれ、高度経済成長期に上手く機能していた仕組みが続けられなくなったことが背景として存在していると考えている、その最大の原因がこの40年間にわたって強まってきた対米全面服従路線にあるという点についても、岸さん(共著)と認識を共有できた(p5)
・役所の中途採用の場合、それまでのキャリアの年数は2分の1でカウントするという妙なルールがあった(p24)
・ベストセラー「書いてはいけない」を出してみて、予想が綺麗に当たった、テレビの報道・情報番組のレギュラーは全て干され、唯一「ガッチリマンデー(TBS)日曜日730」のみが残っている(p41)
・GDP全体の物価を示す指標(GDPデフレータ=国内で作られた付加価値(賃金+利益)の物価で、輸入原材料の値上がりの影響を受けない純粋に国内要員だけの物価)は、昨年度(2023)は 4.1%上昇したが、そのうち賃金に回ったのは0.3%(全体の7%)であり、残りの93%は企業利益の拡大に回ったので、国民は豊かに慣れなかった(p45)
・最終処分地の立地は、地盤が安定していることが絶対条件になるので、昨年10月に地球科学の専門家300人が「日本に最終処分場の適地は存在しない」と声明を公表している、つまり地層処分は、そもそも不可能である、このことを小泉元総理は退任後に理解した(p67)
・太陽光や風力発電は発電効率の問題もあるが、発電できる時間が限定されるので、その電力を貯める蓄電池の重要性が大きい、大容量でしっかりしたものにならないと再生可能エネルギーばかりに頼れない、1)CO2削減、2)電力価格を下げる、3)火力発電用の輸入燃料を減らす、の3要素を満たす観点から、ある程度は原発が必要になる(p70)
・人事面で増税するとポイントがつく、というシステムがある。タバコ税は何度増税しているか分からないが、増税して「タバコ税」の税収全体が増えたことは一度もない、喫煙者は減るので(p78)
・三菱重工の子会社が開発していた「三菱スペースジェット」という国産ジェット機は1兆円規模のお金がかかったのではないかと言われているが、昨年事業が撤退に追い込まれた(国内で製造しようとした)、アメリカが型式証明を出さなかったから、資金も人材も全てが無駄になった、日米同盟と言いながら、日本にはジェットを飛ばさせない、みたいな話である、ホンダジェットが世界中で評判良く飛んでいるのは、アメリカで製造しているから(p97)
・不良債権というと、バブル期に誰も来ないような場所にいい加減なテーマパークを造って、結局ペンペン草が生えてしまうというイメージを持つ国民が多いようですが、実態はバブル崩壊で都心の地価が3分の1に下落して、不動産担保の価値が融資額を大きく下回ってしまった、その担保割れの部分が不良債権の大部分を占めた(p102)
・外国人労働者の増加でメリットを受けるのは、それを雇用する企業だけで、そのツケは中長期的に国民全体に回ってくる、この結論は私(森永氏)が担当したシミュレーションで一度も揺るがなかった事実である(p115)産業界の要望にのみ基づいて、無節操に低技能の外国人労働者の受け入れを増やすことを決めた岸田政権こそ問題である(p116)
・新NISAに踊らされて「オールカントリー」とか「S&P500』に投資している人は、1つは株価の暴落、もう1つは3割以上の急激な円高、そのダブルパンチによって資産額が「7%=93%減少」にまで減ることになる(p122)
・AIが活躍できるのは、ポケモンのようなキャラクターを盗用するビジネス、もう1つは、フェイク動画である(p127)
・マルクスは資本主義が行き詰まる要因として、1)地球環境が破壊される、2)許容できないほどの格差が広がる、3)少子化が止まらなくなる、4)どうでも良い仕事が蔓延する、の4点を挙げた、今の日本社会は限界値を超えるほど深刻な問題になっている(p133)日本社会の問題として「東京一極集中」と加えるべき(p134)
・日本人の平均寿命は2022年まで2年連続で短くなっている(女:87.71→87.09、男:81.56→81.05)少子化も国が滅亡するほどのペースで進んでいる、大都市の高コストの中では子育てができないどころか、非正社員の場合は、結婚することさえできない、大都市生活への警告はすでに発せられている(p139)
・1992年12月24日に「国会等の移転に関する法律」が公布、施行された。この法律に基づいて国会等移転審議会が設置され、1999年12月20日に新議会は答申をまとめた、この中で移転先候補地に関する総合評価を行い、その移転席候補として、北東地域の「栃木・福島地域」と東海地域の「岐阜・愛知県地域」の2箇所に絞り込んだ。これを受けて2000年5月18日に再び決議を行い、それから2年を目処に候補地を一本化することを求めたが、これを最後に国会は動きを止めている。国会が東京一極集中を問題にした1990年の1188万人から、2020年には1400万人と17.8%も増えてしまった(p142)
・日本では表面上は若者の活躍を求める声が多いが、いざ現実に若者が新しいことを始めると、支配層である年寄りが自分達の価値観でそれを否定する(p148)