・電子出版より懸念されるのは、1)再販制に守られてきた日本の書籍流通制度の崩壊が進む(=中抜き:紙、印刷、流通業者不要)、2)出版社の価格決定力を失う、3)著者が出版社を通さずに著作家法に基づいて電子出版をする、である(p37)
・今の若者は昔世代よりもはるかに大量の文字情報にネットを通じて接している、活字離れではなく、起こっているのは「紙離れ」である(p58)
・どんな産業でも売り上げが落ちれば、生産調整に入るものだが、出版産業は再販制度に守られて、逆に自転車操業を加速(出版数の増加、3.8万@1989→8万@2009)させた(p80)
・2001年には2万店以上あった書店は、2009年には1.5765万店に減少した、2009年5月には講談社、集英社、小学館の大手3社と大日本印刷がブックオフの株を取得した、ブックオフも最近は本が売れなくなった(p91)
・今後の電子出版の方向性は、1)紙の本の電子化、2)映像、音楽を組み込んで新しい電子書籍(村上龍の歌うクジラ)、3)自費出版モデル、である、既存出版社は2)のみが将来ビジネスと考えられるが、村上龍はそれは「できない」とした(p96)
・日本の電子書籍市場はアメリカよりも大きい600億円相場であるが、携帯電話向けが8割以上を占める特殊なものであるが、さらに特殊なのは、そのほとんどがマンガ(それもBL:ボーイズラブ、TL:ティーンズラブ)である(p108)
・自炊の便利さは、本棚をなくすことが可能、古本も新刊として甦らせることが可能、デジタルデータであり永久保存可能、OCR処理をすれば検索可能、である(p129)
・最近の画期的なスキャン新技術として、裁断不要で本をめくるだけで高速スキャン可能というもの、1秒間に500枚の画像を撮影して、250ページを1分で撮影可能(p136)
・出版社が持っているのは著作権ではなく、複製権を持つものからその権利を譲り受けて、それを出版する権利=出版権(著作権79条)である(p146)
・現行著作権法では、出版社は電子書籍をつくれないことになっている、アマゾンが著者の許諾を得て電子書籍化の権利を得てしまえば、出版社は「中抜き」可能(p147)
・出版社は、流通・販売以外のすべての経費を定価の60-70%に設定、著者の印税が10%、取次:20%、書店:10%の配分である、アマゾン等は30%を設定している(p177)
・アマゾンは印税を70%としているが、ダウンロード通信費用は著者負担、紙バージョンがある場合は電子書籍の価格は本の80%以内、販売価格は2.9-9.9ドルの範囲設定という条件がある(p197)
・人口1億2700万人の日本人口に対して、経済動向等の本の読者は最大で400万人(旧帝大、私立大の卒業生は20万人、20万人x40年x0.5(男))、1万部売るには400人に一人に買ってもらう必要がある(p212)
・音楽業界を今のように苦境に追いやったのは、アップルが音楽配信を始めて、1曲単位(150円)で販売されるようになったこと(p220)
・日本のアニメ作品を支えている監督等はすべて40代以降で、彼らは20代から活躍して生き残ってきた人々だが、現在は20代の人材はほとんどいない(p228)
・現在は、労働史上初めて、ホワイトカラーがブルーカラーよりも長時間働く時代であり、所得の多い人が低所得者よりもたくさn働いている(p252)
2011/4/3作成