・アメリカ中流階層では、2008-2010年までの間に富の約40%(平均的なアメリカ人の20年分の貯蓄)が消えた、2010年に景気が反転したときに国民所得の増加分の93%は、所得上位1%に行った(p10)
・世界では三つのテーマが共鳴している、1)市場が本来の機能を果たさず、明らかに効率性と安定性を欠いている、2)政治制度が市場の失敗を是正してこなかった、3)政治経済制度が不公正であった(p15)
・老後の不安から逃れなくなったのは、年金の運用方法の変更、大部分の退職手当が確定給付から確定拠出となった(p51)
・2005-2009年までに、標準的アフリカ系アメリカ人世帯は富の53%を消失、財産規模は白人世帯の5%へ縮小、ヒスパニック世帯は66%を消失(p52)
・アメリカ教育機会の不平等を如実に表すのは、難関大学の生徒の構成、上位25%出身の学生が全体の74%、下位50%は全体の9%(p60)
・平均的なアメリカ人の現状を知りたい場合は、平均値はダメ、中央値をみるべき(p63)
・上位層は税制の設計に影響力を行使し、彼等の所得に占める税金の割合は、貧困層の人々より低い(p84)
・人類の幸福に多大の貢献をした人は経済制度から最大の報酬を受けたグループに含まれていない、市場支配力や市場の不完全性を存分に利用するにはどんな仕組みを作り上げればいいかという点に注がれている(p88)
・マイクロソフトは、エクスプローラーの無償提供を決め、OSの一部として組み込んだ。無料との競争に勝つことはできずに、ネットスケープの命運は尽きた(p94)
・銀行セクターはほぼゼロ金利で無制限に資金を借り、アメリカ政府や外国政府に貸付けた。これは、数百億ドルの非公式な贈り物を与えられているに等しい(p99)
・アメリカで一流大学の門をくぐれるかどうかは、一流の幼稚園・小中学高等学校に通えるかどうかにかかっている(p132)
・下層から上層へ金を移動させれば、消費は落ち込む。低所得者よりも高所得者のほうが所得に占める消費の割合が少ないから(p144)
・金融セクターは政治力を使って、個人破産による学資ローン債務の免除を禁じさせた、これでローン貸出を厳しく審査するインセンティブは殆ど働かなくなった(p157)
・上位1%が社会に押しつけている最大のコストは、フェアプレイと機会均等と連帯感を重視するアイデンティティが蝕まれていること(p185)
・ブッシュ政権は、エンロンが生み出した電力不足を新規建設を妨害する環境規制のせいにした、エンロンの市場操作が暴かれ、規制が復活したとたんに不足は解消された(p266)
・1990年頃にGNPからGDPへと尺度が変更された、外国との貿易も国内投資の受け入れもしていない孤立した国であれば両者は同じになる(p275)
・2002年10月、ジョージア州議会は、州の住宅ローン貸付けが、欺瞞と略奪だらけであることに気づいたあと、消費者保護法で貸付停止を命じようとしたが、格付け会社(スタンダードプアーズ)は、ジョージア州の住宅ローンをいっさい格付けしないと脅した(p286)
・現行の知的財産権制度は不公平なもので、革新的企業よりも特許弁護士や大企業に有利に働く(p301)
・不動産バブルに対しては、金利を引き上げるよりも住宅ローンに必要な頭金を引き上げる方が理にかなっていた(p353)
・マネタリズムの基礎には、貨幣の流通速度(1ドル紙幣が1年間に受け渡しされる回数)は一定であるという仮説があった、これは事実ではない(p374)