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summary

亡国の農協改革

亡国の農協改革の写真

・農協改革は、日本国家存亡の危機である、つまり、日本国が日本国民の主権の下で存続できなくなることを意味する(p16)

・日本国民が主権を失い、亡国に至る道は二つある、安全保障の強奪、そして、地域消滅(p18)

・防衛、防災、防犯、食料、エネルギー、医療、流通等の、安全保障の各項目は「かけ算」であり、足し算ではない。どれか一つでもゼロになってしまうと、日本国民の安全保障が崩壊することになる(p23)

・震災が発生したとき、真っ先に助けに来てくれるのは、同じ日本国民である、地元の土建業者である。彼らには機材があり、それを動かす人材が存在し、そして「地元」を知っているから(p25)

・規制緩和・グローバル化と、安全保障の強化は、両立しない(p33)

・食料価格が高騰し、食えなくなった国民が暴動を起こす。チュニジア(2010.12)、エジプト(2011.1)、アルジェリア(同)、ヨルダン(2011.2)、イラク(同)、これにより政権が倒れた(p56)

・1953.1にアメリカ大統領となったアイゼンハワーの当面の課題は、余剰農産物の処理であった。1954.3に防衛力強化の支援との引き換えに、農産物輸入拡大を求めるMSAが締結された(p60)

・アメリカではグローバル市場で価格競争力を持つための市場価格と、農業を可能とする目標価格の差額を補助金として補填している。(p79)

・イギリスは1720年に再輸出用を除くすべての綿布の輸入を禁止。自国市場をインド産キャラコから保護したうえで、綿製品の生産性を高める技術開発投資=産業革命が拡大した(p80)

・GMO栽培面積のうち、途上国が54%を占める。アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、インド、カナダで89%(p89)

・農業改革が推進されるのは、農業という既存分野に新規参入して、利益を稼ぐビジネスを展開したい企業家が存在するため(p109)

・新たに付加価値を生み出すわけでもないのに、政府の政策により特定分野に新規参入を果たし、既存の所得のパイから他人の所得を奪い取っていく行為を「レント・シーキング」という(p112)

・日本の農業所得に占める財政負担の割合は15.6%程度、アメリカは26%、穀物農家に対しては50%、欧州は90%以上(p114)

・日本の郵便事業が分割・民営化されることで、ゆうちょ銀行から22兆円、かんぽ生命から1兆円以上、外国投資へ流出した(p125)

・少子化で自治体の数が減っていくという行政の問題ではなく、日本の地域消滅が農協改革から始まる(p134)

・農家や農協は別に、全農から肥料や農薬を購入しなければならない義務はない。(p137)

・小さな買い手である労働者たちは、大手の小売業者に対抗できなかったので、労働者を束ねることで協同組合が誕生した(p145)

・全農のシェア(生産高)は、米:35%、青果物:30%、食肉と鶏卵:15%、配合肥料:29%(p148)

・農林省は、大東亜戦争の敗北、GHQによる日本占領、日本国民の主権喪失というショックを利用して、大規模地主を解体し、膨大な自作農を作り上げた(p155)

・農地改革は、GHQも驚くほどのスピードで進み、2年間でほぼ完了した。改革に際して、農地を売り渡した地主は176万戸、総農家数の8割に達した(p159)

・小作人階級から自作農へと転じた農家は、それまでとはレベルが違うモチベーションで農業にいそしんだ。これが日本の食糧危機を2年程度で終わらせた原因(p161)

・日本政府とGHQは、自作農に転換した元小作農家を保護するための組織として農協を奨励した。政府が大規模化を進めようとしたのに対して、GHQは、販売・購買・金融などの経済的なサービスを提供する組織として位置づけようとした(p171)

・農協の数は、一方的に減り続け、2015年7月には、679(1948年:1万5866)に減少、地域から単位農協が消滅したのではなく、経営危機を乗り越えるための合併(p173)

・六次産業化(生産、加工、流通販売)を唱える人が理解していない点として、1)農産物の加工、流通販売において供給能力不足になっていない、2)農協改革と無関係に六次産業化を図ることは可能であるという事実(p181)

・全農は、事業収益6.4兆円、職員数8000人超、組合員1022団体、子会社121社を数える巨大商社、しかも全農は協同組合なので利益最大化を目的にしていない(p198)

・現在の単位農協が経済事業の赤字について、信用事業と共済事業で補てんしていることを批判するには、農作物を現在の2,3倍で購入するべき(p210)

・農業事業者200万人に対して、正組合員数467万なのは、家族も加盟するため。準組合員が517万人なのが問題。購買、金融、小売り、ガソリンスタンド、介護、病院等、多岐にわたるサービスを展開しているから、農協以外に地元にスーパーやガソリンスタンドがない地域もある(p219)

・実際にビジネスを行っているのは、各地の単位農協であり、共済連や農林中金は、単位農協の預金や掛け金の運用をアウトソース先として請け負っているのみ(p227)

・員外利用は準組合員利用を制限して、それが利用できなくなった元農協利用者たちの市場を、アメリカ金融会社に開くというカラクリ(p231)

・現在の多くの単位農協は、経済事業の赤字を、信用・共済事業で補てんしている、この主な顧客は準組合員である(p234)

・日本は可住地(500メートル以下、傾斜なく沼沢地でない土地)は27%、イギリス85%、ドイツ67%、フランス73%と比較して小さい。農地を維持することは大事で、そのためにあるのが農業委員会である(p255)

・ISDとは、政府の規制強化で、外資系企業が損害を被った場合には、世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターに提訴できるもの。この判断ポイントは、いくら外資系企業に損害を与えたかで判断する(p277)

・TPPは自由貿易のためにやるというが、国民ではなくアメリカを中心とした一部のグローバル資本の自由のため(p279)

・インドを植民地化した東インド会社は、インド農民に綿布や芥子(けし)等の商業生産を共用した結果、小麦の生産能力は落ち込んだ。それにより19世紀だけで2000万人が餓死した(p282)

・モンサントの社員食堂では、一切の遺伝子組み換え作物が使われていないことは有名(p290)