・日本は、バブル崩壊以降、積極的な金融緩和に踏み切れなかったので、結果として、円高とデフレが進み、リーマンショックにおいても当事国でないにもかかわらず、アメリカ・イギリスに比べてずっと大きな痛手を被った(p23)
・最低賃金の引き上げによって職が失われるという証拠は見られなかった、労働者はモノではなく人間なので、より多くの賃金を払えば、モラルの向上や離職率の低下、生産性の上昇といったメリットがある(p31)
・TPPの実態が何かといえば、1)紛争解決、2)知的所有権に関する協定で、どちらにも問題がある。(p42)
・シェールオイルがあるのはテキサス州、シェールガスがあるのが、ペンシルバニア州。シェールオイルでは、1バレル100ドルでも儲けがあるかどうか(p49)
・格差の拡大を少しでも縮小する方法は、相続税を上げること、高額所得者への税金をあげること(p52)
・デフレに伴う急激な円高は、日本経済に深刻なダメージを与えた。韓国ウォンは30%値下がりしたので、ドルに対するハンディキャップは、60%。これでは韓国企業に太刀打ちできない。パナソニック、シャープ、ソニーが赤字に転落したのは仕方ない(p79)
・インフレ目標が必要なのは、人々にお金にしがみつくのをやめさせて、失業を解消したり所得を増加させたりして、日本社会をより良いものにするため(p80)
・黒田日銀総裁によると、経済成長を高めるためには、1)民間による設備投資、2)労働力について、女性および高齢者層を参加させる、3)生産性を上げるための規制緩和と構造改革、が必要(p90)
・日本に必要なのは、消費税増税ではなく、国民の多くが「これからは給料も上がるし、物価も上がる、いまのうちにお金をもっと使おう」と思えること(p97)
・中国の大きな弱点は、消費者の需要が非常に弱いこと。少なくとも所得の20%は消費に再分配されるべき(p99)
・日本国債の格付けをするなら、AAAである。アメリカと同じように、自国の紙幣を刷ることができるので(p112)
・人がお金持ちか貧乏かを判断するには、借金だけではなく、いくら資産を持っているかも見なくてはならない、国も同じ(p114)
・ギリシア問題のような経済危機が起きると、世界の投資資金が円に集まって円高となる。それが示しているのは、円がユーロよりもアメリカ国債よりも信用があるということ(p115)
・ギリシアの通貨はユーロ、借金もユーロ建て、ユーロ発行はECB(欧州中央銀行)なので、ギリシアが政府債務を返済するには、ECBからお金を借りなければならない(p116)
・財政不均衡により、いつ金利が高騰するかわからない、というエコノミストは、自分のお金で国債の空売りをしているか、と問いたい。しかし、そのような人は誰もいない。実際にリスクを取って日本国債を売買しているプロのトレーダーは、どこの国の国債よりも、日本国債を信用している(p117、118)
・ギリシアのGDPがなぜ減ってしまったのか、理由は、債権者から強要された緊縮政策、さらに有害だったのは、緊縮財政よりも、それを相殺する金融緩和ができなかったこと。緊縮財政と、金融引き締めのセットは最悪の組み合わせ(p170)
・ロシアが奪取したクリミア半島は、今となっては、ただの荒れ地となり、観光に行きたいと思うような場所ではなくなった。(p178)
・スウェーデンは自国の通貨を持つが、あまり強力な金融引き締めを行わなかったため、実質GDPは上昇した。しかし、デンマークはその逆になってしまった(p182)
・中国経済を牽引してきたのは、輸出である。大量の労働人口と低賃金を背景に輸出をしてきた、しかし内需が伸びない。その理由は人件費が安いままだから(p189)
・中国の省内貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高の推移からGDPを算出すると、2015年の成長率は2.8%程度(p192)