・沖縄戦は凄絶な総力戦で、日本軍(沖縄守備隊)の本土出身兵8.5万人のうち、8割を超える7万人が戦死した。沖縄住民は当時50万人のうち、15万人が犠牲となった(p36)
・日本政府が安易に援護法の対象を拡大できない理由として、本土にも多数の戦争被害者がいたから、広島・長崎被爆者には被爆者手帳が交付されたが、医療費の支援のみで生活費を給付する援護金とは異なる、東京大空襲の場合には何の補償もなし(p54)
・満州において、軍人家族につづいて避難を始めたのは、満州国の官吏と南満州鉄道社員の家族、軍人家族よりも先に関東軍は退却をしていた、邦人は見捨てられた(p74)
・日本軍がいなかった理由は、戦前の日本軍は皇軍(天皇の私兵)であり、目的は国体を守ることで、市民国民を守ることではなかった、本土決戦に備えて軍の消耗を避けた(p75)
・しっぺ返し戦略は、1)最初は協力、2)それ以降は、相手が前の回にとった行動を選択する(p83)
・最強の安全保障戦略とは、1)平和主義を宣言する、2)武力攻撃を受けた場合には、徹底して反撃する、3)相手が撤退したらそれ以上の攻撃は停止し、平和条約を締結(p84)
・2015年11月、日本が提案した国連での「核全廃をめざす被爆地訪問決議」は、156カ国の圧倒的多数で採択されたが、核保有国の、米英仏は棄権、中国・ロシア・北朝鮮が反対した。(p104)
・欧州でマイナス金利を導入したが、それでとうなったかというと、結論は「たいしてかわらない」、スイス銀行は、金利の限界をマイナス1.25%としている(p112)
・パレート最適という考え方は、誰かの効用を犠牲にしなければ他のだれかの効用を高めることができない状態、というもの。逆に言うと、誰の不利益にもならずに今より幸福になれるなら、それは社会にとってもいいこと、ということ。パレート最適への反論は、それによって生じる損害を具体的に示す必要がある。(p118)
・中国における「下戸遺伝子」の保有率は、南部の23%に対して、北部は15%、北京では度数の強い「白酒」を飲むのに対して、南部は度数の低い「紹興酒」が好まれる(p125)
・中国南部と並んで、下戸遺伝子が多いのが日本で23%、それも近畿地方を中心とした本州中部に多い、東北・南九州・四国太平洋側では少ない、これは弥生人が中国南部を起源として、それが縄文人と混血したため(p126)
・安倍政権は、女性が輝く社会を掲げているが、そのためには、正社員+専業主婦、という日本社会の根本構造を変えなくてはならない。これは国際的には身分差別として禁止されている、しかしこうした世界標準の改革は、終身雇用・年功序列の日本型雇用の根幹を覆すので、経営側・労働組合も強く反対している(p131、134)
・知識社会においては工場の労働管理とは異なり、働き方は大きく3つに分かれる、1)クリエイティブクラス、2)スペシャリスト、3)バックオフィス(時給計算が可能)。日本の会社では、いまだにバックオフィスとスペシャリストが混在して、同じ給与体系で社員全員を管理しようとしているので四苦八苦している(p139)
・新卒採用では年齢制限をしている、これは改正雇用対策法(19年10月)に違反しているが、日本的雇用慣行を守るためとして、厚生省が新規採用を法律の適用除外にしているから、これは、彼ら自身の組織が新卒一括採用と年齢による序列でできているから(p153)
・派遣社員問題よりもさらに深刻なのは、親会社から出向してきた社員と子会社のプロパー社員との身分格差。同一労働同一賃金にすると、人事制度が根幹から崩壊する(p157)
・日本におけるギャンブルとして、パチンコ・パチスロがあるが、賭博と見なされない。景品交換を店外で行う脱法行為が容認されているから。そのかわりパチンコ業界は、警察庁から多数の天下りを受け入れている。パチンコの期待値は98%で、宝くじ(50%)や競馬競輪(25%)よりも、良心的である(p200)
・欧州では、2002年4月にオランダが初めて安楽死を合法化、ベルギーとルクセンブルクが続いたが自国民にしか認めなかったが、スイスでは外国人でも、不治病の末期であれば安楽死を受け入れている。現在、60カ国5500人が登録している(p201)
・戦中、敗戦直後の日本の様子がわかる映画として、ひめゆりの塔(68年版の吉永小百合)と、肉体の門(p251)