・フェリペ二世の時代は、イギリスではエリザベス一世の時代である、イングランド女王メアリー一世が1558年に死ぬまではイングランドの共同王であった。カトリック教徒であったフェリペ二世にとって、プロテスタントのエリザベス一世は異端者なので、前スコットランド女王のメアリーを王位に就けようとするが1587年にエリザベスはメアリーを処刑してフェリペと対立。1588年にアルマダの戦いで勝った(p4)
・近代資本主義は、より遠くへ、より速く進展することで展開してきたが、フロンティアは消滅し、それが不可能となった。そして利潤率は低下、利子率を大きく減少することになった。16世紀の低利子率が中世を終わらせたように、長い21世紀の低利子率は近代資本主義を終わらせようとしている(p5)
・西欧史とは突き詰めて言えば「蒐集」の歴史である、蒐集の対象は、物質的なものと霊魂である。前者を蒐集するのが「資本主義」、後者は「キリスト教」である、蒐集ができなくなれば、西欧中心の世界秩序は揺らぐ、ゼロ金利は蒐集の終わりを意味している(p18)
・911テロは、1527年のローマ劫略事件以来と言われている(p20)
・歴史の危機としてあげられるは、1)ローマ帝国の崩壊からカール大帝の戴冠式(476-1800)、2)ビザンチン帝国崩壊=中世の終わりから、ウェストファリア条約=近代誕生(1453-1648)、3)フランス革命から普仏戦争=絶対王政打倒され市民社会到来(1789-1871)、以上の3つがある(p22)
・複数年にわたって長期国債利回りが2.0%を切ったのは、5000年の金利史上、1611-1621まで11年間つづいたイタリア・ジェノバしかない、いまはそれをはるかに凌駕する「21世紀の利子率革命」が起きている(p38)
21世紀のIT革命は、1543年のコペルニクス革命は、1630年代の科学革命が天と地をひっくり返したようなものではなく、蒸気がもたらす結合の到達点である(p42)
・325年の二ケア公会議で、聖職者に対してウスラ(利子の徴収)を禁じていたが、626年のクリシー公会議では一般教徒にまで拡張した。これは1215年の第4回ラテラノ公会議で公認されるまで続いた(p55、60)
・1215年が資本主義の始まりだとすれば、1971年はゼロ金利(=過剰生産力へたどり着き、ゼロ金利となる)への始まりであった、これ以降、資本主義システムが利潤を生みだす土台が崩壊し始めた(p66、70)
・1990年代の株式市場において、株式は貨幣そのものになった、ダイムラーとクライスラーの合併、エクソンによるモービルの合併(p81)
・企業のROEに相当するのが、家計では、純貯蓄額を純個人金融資産で割った比率(=貯蓄蓄積率)というが、2003年からは企業と家計において乖離が見られる(p86)
・株式と債券の区別があいまいになるというのは、1602年のオランダ東インド会社以前の世界に現在、回帰しつつあることを意味する(p111)
・株式会社は、地球が無限空間であることを前提とした制度の上に成り立っている(p115)
・新中世主義の趨勢が生じているかの確認は、1)国家の地域統合(ドイツ、ユーロ統合など)、2)国家の分裂(ソビエトの解体)、3)私的な国際的暴力(911テロ)、4)国家横断的な経済(IS)、5)世界的な技術の統一(インターネット革命)で見ることができる(p119)
・過去数千年の歴史を見ると、中国とインドは世界の1、2位の経済大国であった、中国GDPが西欧の合計を下回ったのは、1820-70年のみ(p188)
・ゼロ成長は、一攫千金を狙っている人にとっては退屈な時代だが、精神的豊かさを求めようとすれば、エキサイティングである(p255)