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summary

臨界点を超える世界経済

臨界点を超える世界経済の写真

・旧通貨の廃止による金額の切り下げによるインフレが終わったとき、紙幣の金融資産を失って没落するのは、紙屑になる旧紙幣での純預金(預金マイナス負債)、国債、政府との年金契約のある人たちである。純預金、国債、旧制度の年金は、およそゼロになるから。(p23)

・円を約500兆円発行してもインフレが起こらない理由は、異次元緩和の日本で0.5-1%程度の低いインフレであるからで、銀行の貸し出しが4%以下しか増えていないから。貸し出しの5%の増加からおよそ1%のインフレになる。預金額がおよそ1年に5%以上増えると予想できないと、世帯は預金を引き出して使わないという意味である(p33)

・日本は新円を発行することで、国債の実質価値は「戦前の300分の1の価値」にされた、暴動にならなかったのは、平和に向かう敗戦を支持したから(p43)

・令和6年となる2024年くらいから電気化学であるインターネット上の「IOT+5G+AI」で経済の条件、制度、価値の認識が変わる。Netflixで観られる高精度8Kの映画、アベマのようなインターネットTV化、いつでもどこでもYutube化するTV、Googleでの情報全文検索、アマゾンやアリババでの仮想店での買い物、医師のAI画像診断、AI自動車タクシー、ドローン、自動配送、自動配車など(p40)

・中央銀行の役割は、金とは違う信用通貨を支配して、1)鳥の目から見たマクロ経済の適切な運営、2)金融危機や取り付け騒ぎの時の銀行を救うために、通貨発行量と短期金利を調整する目的で作られたもの、重点は、通貨の増刷により銀行を救う機能である(p44)

・SDR(特別引出権という国際通貨)は、通貨バスケットとして唯一の無国籍の通貨であり、現在は1SDR=155円(2019年3月)であり、中央銀行と各国政府だけが使う通貨である。財務省は外貨準備として2.1兆円のSDRを持っている。対外債権の多い新興国に貸し付けられている。(p71)

・人々の予想であるGDPの機体成長率が日本のように低い時、中央銀行の通貨増発はGDP増加の効果をほとんど生まない。実質GDPの増加力を示す潜在成長率は、「一人当たりGDP生産性の上昇率x労働者数」である。通貨増発を行っても、マネーの回転速度(名目GDP➗M3)が低下するだけで、経済を実質成長させられない(p94)

・異次元緩和の本当の目的は、国民の純預金を遥かに超えた1284兆円の赤字財政のファイナンスであり、財政危機をゼロ金利で引き延ばし、その間に2%で物価が上がる経済体質に変えて、長期間続く2%インフレという見えない課税により、国債を名目GDPに対して増やさず、「国債額➗名目GDP=債務比率」を維持するか下げることだったから(p98)

・金本位制は、金貨による金本位制であれば通貨不足でデフレになるが、兌換通貨を発行する金準備制では、金準備率を下げることによって通貨の増発ができる。金準備制は、国債の代わりに金を通貨発行の準備資産にするもの(p104)

・債券市場には、国債を持たなくともいくらでも売ることができる「先物売りやオプションの売り」がある、850兆円(85%)は国内の金融機関と日銀が持つから、期待金利が上昇の傾向になっても売り崩すことはできないというのは、全くの誤りである(p119)

・2010年頃から金融機関には国債買い増しの原資がなくなったため、国債発行残の50%(500兆円)を、日銀が赤字国債の金利(国債価格)として期待される市場の実勢よりも高い価格で買っている。こうした無理な買いがつくってきたものが国債バブル価格である。異次元と言われるのは、1)国債を市場の実勢価格より高く買い、2)無理矢理10年債はゼロ%、3)10年債以下はマイナス金利に誘導している(p123)

・円、ドル、ユーロが同時に下落するとき、ひとり上がるのが世界通貨の金と、富裕者のマネーを集めるスイスフランである(p136)65歳以上の世帯では、財政破綻後に年金が30%減額される前に、現在の預金(平均2100万円)を使って、金とスイスフランを買っておくだけで良い。社会保障制度の資金不足は現在の支給額の30%である(p139)

・50代は生涯所得(7000万円x30年:推定2.1億円)の5%である、1000万円が負担超過、つまり年金・医療・介護保険え払う金額が給付よりも1000万円多い。40代は8%、30代は11%、20代は13%(2700万円)である、これは一人当たりなので世帯であれば2倍となる(p145)

・原理的に言えば、期待長期金利≒物価上昇率+債券の回収リスク率、である。この均衡金利以下に長期間抑えることが、金融抑圧である。これをやると時刻通過からの逃走(=海外通貨の買い)が起こり、大きく下がっていく。これが1000円だった英国ポンドが約7分の1に下落した理由である、イギリスでは30年間続いた(p148)

・明治時代の為替ルートは、1円=1ド=1.5グラムの金、出会った、現在の1.5グラムの金価格は7500円なので、明治中期の1円はおよそ、7500円である。金が高騰したという形をとって、円は第二次世界大戦後の約300倍のインフレを含んで、約7500分の1に価値が下がっている。物価の高騰、金と株を含む資産価値の高騰は、いずれも通貨価値の下落である。物価はおよそ3000分の1である(p169)

・1930年の金は、グラム=1円36銭であった、戦後の1951年(昭和26)に、1グラムの金は585円(430倍)に上がっている、というよりハイパーインフレの円が1単位の価値を大きく下げた。(p171)

・中国は2010年のG20において、ドルではなくIMFの通貨:SDRを新しい基軸通貨として提案した、米国は英国と一緒になってオバマ大統領が断っている、ドイツはユーロ圏をつくって貿易でユーロを使っており、ドル圏から離れている。その後にSDRの構成比として中国元をバスケットに入れて(2016年10月)中国人のメンツを立てた(p244)

・金準備率は20%あたりで済むので、解決が難しい企業の不良債権の問題から中国が一夜で解放される方法が、金準備制による新元の発行である。これと類似した方法は、明治15年3月に3倍のインフレをおさめるために維新政府が実行したことである。ロシアでは1999年に、旧ルーブルを1000分の1に切り下げてインフレをおさめている。ドイツも同様である。通貨の切り下げは、過去の負債と預金を減らすことでもある(p390)

・ドル、ユーロ、円が金準備制に変わることはないだろう、人民元以外の三大通貨は変わらず、政府の財政信用を根拠とした通貨発行の体制を続けるだろう。貿易通貨は、米ドル権30%、ユーロ圏30%、人民元圏30%の三極の体制になるだろう、日本はドル圏への帰属となる(p393)