・ウイルス自身では体やエネルギーを作るために必要なタンパク質を作ることができない、その合成はリボゾームという遺伝情報の翻訳装置が行いますが、ウイルスは持っていない。(った33)生物と無生物の大きな違いは、単独で存在でき、それ自身で増えることができるかどうかである(p35)
・ヒトは本能的に新しく生まれたものや変化にまず惹かれる、地球はまさにこの新鮮さに満ちている。全てが常に生まれ変わり、入れ替わっている。作って分解して作り替えるリサイクル(=ターンオーバー=生まれ変わり)こそが奇跡の星地球の最大の魅力である(p48)
・過去5回の大量絶滅、1)オルドビス紀(85%絶滅、4.4億年前)、2)デボン紀(海生生物を中心に80%、3.74億年前)、3)ベルム紀(生物種の95%、2.51億年前)、4)三畳紀(75%絶滅、1.996億年前)、5)白亜紀(恐竜など70%絶滅、6650万年前)(p68)白亜紀の絶滅において、小型のものは食料不足に比較的強く、さらに小型化して生き残った、爬虫類から進化した鳥類は、食料の探索能力が高く生き残った、哺乳類も気候の変化に比較的強く、生き残ることができた(p75)
・霊長類の祖先は、果実を豊富にビタミンCをとることができるようになり、ビタミンCを作る遺伝子を偶然失った(p77)
・目の色覚に関する遺伝子は1つ増えた、夜行性の時代には2色色覚(赤と青)の2つの遺伝子のみが、赤を認識する遺伝子が遺伝子増幅によって2つに増えて、増えた一つが変異を起こして全体の4%が、緑の波長に反応する遺伝子となった、おかげで色覚が向上し、果実がより見つけやすくなったと想像される、参考)これは光の三原色と同じ、色の三原色は、マゼンダ(赤紫)イエロー、シアン(青緑)(p78)
・霊長類はアフリカで誕生したと考えられるが、大きく2つのグループに分かれた、1)アマゾン流域に移り住んだ霊長類のグループは密林の中で進化しましたが、木の上という隔離された空間で大きな変化はなかった、2)アフリカに残ったグループは、気候変動・砂漠拡大により森林が減少し、木から下りざるを得ない状況に追い込まれた。逃げ足の速い賢いサルが生き残って(数百万年続いて)生き残った個体がヒトへと進化した(p81)
・生物が作り上げた進化は、実は「絶滅=死」によってもたらされた(p82)
・細菌が多細胞化の道を歩まなかった理由の一つは、ゲノムの構造にある、テロメアを持たないことにある。テロメアとは、染色体の末端を分解から保護する役割を持つ特殊な構造である。分解に要する時間が短くて済むので、次々に分裂して数を増やすため新しい環境に適応するまでの時間が短くいろんな環境で生き残れる(p94)
・地球には名前のついているものだけで180万種の生物種が存在し、その半分以上の97万種は昆虫である。動物の系統図を見ると、無脊椎動物の枝の頂点、つまり一番最後に現れたのが節足動物であり、その一つが昆虫である、別の言い方をすれば、最も進化して複雑化した生物が昆虫である(p102)
・人の老化を研究するためにマウスをモデル動物として採用するのはあまり良くないかもしれない、つまり人とマウスは死に方は違うから(p109)
・日本人の寿命の変遷を見ると、旧石器から縄文時代には平均寿命は13−15歳であった、弥生時代になり稲作を始めると20歳程度、人口も60万人程度、平安時代には31歳、700万人、鎌倉・室町には戦争・気候変動により20代に逆戻り、16歳程度、江戸時代になると38歳程度、明治大正には、43歳程度、戦争中は31歳となったが、70年後には女性87歳、男性81歳となった、過去100年間で寿命は倍になった(p120)
・一番入れ替え周期の短い組織は、腸管内部の上皮細胞で数日、皮膚が4週間、血液が4ヶ月、一番長いのは骨細胞で4年である、なので人の体の細胞は4年でほとんど新しいものと入れ替わり「別人」となるというのは言い過ぎだが、徐々に老化した細胞から順番に入れ替わるので姿形が変化することはありません(p132)
・細胞老化には、活性酸素や変異の蓄積により異常になりそうな細胞を異常になる前にあらかじめ排除し、新しい細胞と入れ替えるという非常に重要な働きがある。これによって癌化のリスクを抑えている。なぜ、テロメア合成酵素の働きをわざわざ止めて老化を誘導するという勿体無いことをするのか、という問に対する答えがここにある(p151)
・有性生殖とは、マイナーチェンジの多様性を生み出すために進化した仕組みである、有性生殖が多様性を生み出すのに有効だったから、この仕組みを持つ生物が選択されて生き残ったことになる、生物のほとんどがこの有性生殖の仕組みを大なり小なり取り入れている(p169)
・食餌を減らすと寿命が延びる理由の一つとして、代謝の低下、代謝が活発になると副産物として活性酸素がある、これがDNAやタンパク質を酸化させて働きを低下させる、食餌制限により活性酸素の量が減少して寿命延長に貢献している(p185)
2022年12月15日読了