suu3.jp 戻る

summary

会計と経営の七〇〇年史 五つの発明による興奮と狂乱 (ちくま新書 1647)

会計と経営の七〇〇年史 五つの発明による興奮と狂乱 (ちくま新書 1647)の写真

・この本を読んでわかること、が帳簿をつける理由、2)株式会社と証券取引所が生まれた理由、3)税金を巡ってトラブルが多い理由(p12)

・今回のコロナでそうであったように、従来型ビジネスをやっている会社の景気が悪くなる一方、ステイホーム、リモートワーク関連のビジネスを展開している会社は業績がいい、こうした新勢力や「このままではダメだ」とやり方を変えた会社が新しい時代を牽引する、疾病をはじめとする外圧の後には、このような経済的リセットが起きる(p30)

・メディチ銀行は、中央集権(本社が収集して管理)でなく、分権経営を行なった。日々の経営を現場に任せた(p41)場所的、時間的なズレを含みつつ、正しい儲けを計算するには、かなり高度な帳簿体制が必要となる。離れ離れの環境で各拠点が存在していたので、それをワンチームにするために簿記が発展した(p43)

・カトリック教会の徴税業務は「儲かる」仕事であった、地域独占が認められていたので関係者が教会を新設した。これがスペイン、ポルトガルが植民地にキリスト教を広げて、教会を建設した理由である。彼らはキリスト教を広げるという大義名分とともに、そこから得られる儲けにも着目していた(p66)

・良い貯金(人生を楽しみながら貯めていくもの)と悪い貯金(節約を頑張りすぎる)があるが、最高の貯金は「宇宙貯金」である。空から下ろせるのは自分の子供だけ、自分が死んだ後、残された子供の前に「君のお父さんにお世話になったんだよ」という人が現れて手助けをしてくれる、これが宇宙貯金の引き出しとなる(p80)

・スペインの会計嫌い親子(カール5世、フェリペ2世)は拡大する領土と支出を会計的に管理する仕組みを作れなかったので、自分の財務の状態を知ることができなかった、目先の借金を払うことに精一杯で苦しくなって増税をした、スペインの歴史から学ぶべき教訓は「税金制度を作るのは難しい」である(p86)

・カトリックからプロテスタントへ宗旨替えした理由「働くことと儲けることを肯定してくれたから」元々カトリックにおいて労働は苦役、辛い営みである(p99)スペインに勝ち切ったオランダは独立、勝てなかったベルギーはカトリックの支配のままであった(p103)

・イタリアで銀行と簿記が生まれた、オランダでは株式会社が生まれた(p105)スペイン、ポルトガルが開拓した、東アジアを目指す東インド航路の後発組としてオランダが用意した組織が「東インド会社』である(p111)巨額の資金を長期安定的に調達する方法として登場したのが株式会社である。返済しなくてもいい資金調達の方法を編み出した、その形式を作るために「会社のオーナーは株主である」という理屈が作られた(p113)

・株主が会社のオーナーとなったことは、資本主義の大きな転換点である、さらに株主に対して、自ら持つ株券を換金する場所を用意した、それが証券取引所である、株式を売ってもいい、配当のインカムゲインと、売却のキャピタルゲインの二つの選択肢から選べるようになった(p114)

・チューリップとは、元々ぷとてスタントの質素倹約の精神を体現する花、対するクラシックは、バラかユリである(p117)

・東インド会社の3つの失敗、1)航海中に船員が盗みを働いていた、ミスや不正が起こらない仕組み=コーポレートガバナンスが必要、2)オランダが香辛料に拘りすぎた、香辛料が儲からなくなっても撤退して他の商品(絹織物、お茶など)にすべき、3)配当しすぎて内部留保がたまらなかった(p122)

・ナポレオンの功績、絵画や彫刻をはじめとする芸術品は「フランス人みんなの財産だ」としてルーブル美術館で見れるように=パルリック化した、絵画紙にとって極めて重大なターニングポイントであった(p153)これが絵画ディスクロージャー、もう一つは、国家財政ディスクロージャーであった(p157)

・イギリスの産業革命、フランス革命あたりから、労働について「二つの道」ができたように思える。フランス的な道とイギリス的な道、その根底には、カトリック対プロテスタントの違いがある、カトリック色の強いフランスでは、働くことより人生を楽しむことをヨシとする傾向がある、今でも「働かないことが自慢」な文化が残っている、イギリスでは「働くことが自慢」(p157)

・情報公開で盛り上げる文化はフランスに流れている、ものづくりはドイツに劣るかもしれない、例えば、ドイツのベンツ、フランスはこれに対して世界初の自動車レースを開催して、自動車という存在を金持ちの市民たちに知らしめ、顧客が自らの自動車を自慢する場を作った、自動車を作るだけでなく、レースという場を作って盛り上げる、これがブランドを作り上げる力となった(p158)

・現金収支ベースで帳簿をつけると、開業時の鉄道会社は赤字になり儲けを元にした配当ができない、そこで生み出したのが「減価償却」である。当初の支出をその期に負担させるのではく、数期間に渡って費用化する、お金はなくても「名目上の儲け」が出るので配当を払うことができる、現金の「収入➖支出=収支:現金主義」とは別に「収益➖費用=利益:発生主義」という計算体系を作って配当を行う(p179、180)

・赤と青の信号機はイギリスの鉄道会社から始まっている、他にはボールを上げ下げするタイプの信号機もあった、ボールが下がる「ローボール」は、入ってくるな、出発するな、上にあげたハイボールは、入っていい・出発進行、であった(p189)

・鉄道会社は原価計算に強かった、正確な原価計算ができないと「運賃の決定」ができない(p191)

・投資を判断する材料として決算書を使って経営分析をした、これが発展したのは19世紀、欧州のマネーが鉄道会社はじめアメリカへの会社に向かい始めた時期である。なぜ発展したかは、遠かったから、頼りになるのは決算書であった(p195)

・アメリカは戦争で勝ち取ったのではなく、安値で購入した不動産取引(フランスからルイジアナ、スペインからフロリダ)これは、フランスとスペインは財政赤字に苦しみ、アメリカの植民地経営を行う余裕がなくなった(p202)

・カーネギーの経営成功法則、1)分業+標準=大量生産、分業を行うために工程にわけていた、費用別計算、部門別計算、製品別計算ができあた、2)大量生産+大量販売=キボの経済、安く多く売って儲ける(p216)