・官僚の実態を伝える文献がほとんど存在しない理由、1)官僚の実態を示す統計が存在しない、2)キャリア官僚が自分の職業実態をあまり語りたがらない、3)権力や処遇が省庁によって大きく異なる(p5)この本は「ザイム真理教」の全省庁バージャンが本作である(p6)
・官僚に求められる資質、1)飛び抜けた知的能力、2)頑強な体力、3)プライベートの全てを犠牲にして国のために尽くす、高い情熱(p20)
・官僚だけに用意されてきた2つのフリンジ・ベネフット(別腹い実質給与)は、1)所轄業界や所轄自治体から受ける接待、付け届けなどの饗応、2)天下り、本当の待遇は定年後にある(p28)50代以降の天下り時代に集中している(p34)
・一般官庁は、努力(新しい法律を作ってそれに関連する天下り先を用意する)によって天下りポストを増やしていくが、大蔵省(現・財務省)に限っては努力が不要である、新しくできた天下り先に、現職官庁とともに大蔵省用のポストを用意させる、そのため大蔵官僚にはいくらでも天下り先がある(p37)
・日本の法律は8割以上、官僚が作っている、これは今に始まったことではなく、明治政府から続いている(p59)
・2008年の国家公務員法改正には規制(再就職に関する規制など)を無力化する仕掛けがこっそりと仕組まれていた、天下りそのものを禁止したのではなく、天下りの「斡旋」を禁じた、それも新たに設立した「官民人材交流センターへ一元化」しただけで禁止ではなかった(p71)
・2020年度、国の一般会計決算の基礎的財政収支は80長円の赤字だったが、経済に何の問題も起きなかった、これが国民に知られるとまずい不都合な事実である、2025年度予算は赤字は4兆円までにまで縮小し、税収を過小推計しているので、日本の財政は単年度で実質黒字化している、先進国で最も財政が健全なのは日本なのだ(p82)
・2023年10月18日、政府は国民年金の保険料納付期間を現行の40年間から5年延長して45年間とする案を議論する方針を固めたが、最終的には先送りになった。2024年の財政検証の結果、年金積立金が株価上昇などで大幅に増えたことや改革案で一定の給付底上げ効果が見込めることがわかったこと、負担増への国民の反発を考慮した結果である(p100)
・合計特殊出生率は、しばしば「一人の女性が一生の間に産む子供の数」という説明がされるが、それは正確ではない、正しくは「15ー49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」そもそも「特殊」という言葉は、昔留学した厚生省の官僚が言い出したもので、SpecificをSpecialと勘違いして「特殊」と訳してしまったことにある。「それぞれの」というのが本来の意味である(p104)合計特殊出生率は、3つの要因、1)平均初婚年齢、2)完結出生児数(一緒の間に産む子供の数)、3)生涯未婚率(50歳児の未婚率)で決まる。その中で、女性の生涯未婚率が1985年の4.3%から、2020年の16.4%へと激的に上昇したから、男性は、3.9%から25.7%に上がっている、少子化の主因は「結婚しない」(正しくは、結婚できない)ことにある(p106)
・真の少子化対策は「格差を縮小する」ことであり、具体的には最低賃金を大幅に引き上げるとか、同一労働同一賃金を厳格に適用する、あるいは、逆進性の強い(低所得者ほど負担が大きい)消費税を減税する、さらには国民全員に一定額を給付するベーシックインカムを給付するなどである(p108)
・月額3万円の児童手当をもらえるのは第三子だけだが、高校を卒業した子供は子供とみなさないというルール、第一子が高校を卒業すると第三子は第二子とみなされる、高校生になっても全員が三万円の児童手当をもらえるのは、ほぼ三つ子の場合だけということになる。しかし高所得層(例えば年収1000万円:国税庁調査で全体の7%)は、子供一人で117万円、三人で694万円の手取り増となる、児童手当の所得制限が撤廃され、手当を受給できるようになるから(p113)
・働き方改革関連法が2019年4月から施行され、会社は10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に、少なくとも5日間は有給休暇を取らせなくてはいけなくなった、労働者が取らない場合は、会社が時期を定めて取得させる必要がある、さらには残業時間規制がある(p120)
・東京の過密を招いた最大の理由は、政治・経済・文化の3つの中心を東京にしたこと、日本はバブルの絶頂期、1990年11月7日に衆参両院において首都機能移転の決議がなされた、そして1992年12月10日に「国会などの移転に関する法律」が成立した、移転先候補地として、1)北東地域の「栃木・福島地域」2)東海地域の「岐阜・愛知地域」の2箇所に絞り込んだ、これを受けて国会は、2000年5月18日に決議を行い、2年後を目処に候補地を一本化することを決めた、ところがこれを最後に国会は動きを止めてしまった(p130)
・2019年台風19号の時は、1)埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」2埼玉県さいたま市の「荒川鮮湖公園」の存在によって荒川の氾濫は防がれたが、氾濫寸前までいった、東京都は23区では時間雨量75ミリに耐えられるように治水対策を講じることにしている、荒川の堤防が決壊すれば東京23区の3分の1が水没することになる(p133)
・太陽光発電をすれば電力供給の抜本的改革が実現するがkこうした政策が採られないのは、多くの世帯が太陽光による自家発電を行うようになると、電力会社が供給する電力は、夜間や冬期に集中することになる、すると昼間や夏期の稼働率が下がって、電力会社の供給する電気料金は大きく上がることになり、それは太陽光発電で十分な電力を得られない大都市マンションの住民の負担が大きくなることに繋がる、さらに大きな発電調整をしなければならないので、安定電力である原子力発電の必要性がなくなってしまう(144)