・1970年代ころまで、アメリカの経済成長は3種類(無償の土地、技術革新、未教育の賢い子どもたち)の「容易に収穫できる果実」に支えられていたが、いまではそのすべてがかなり食べ尽くされてしまった(p31)
・国民の大半に恩恵をもたらす新しいアイデアがどの程度生み出されているかを数値化する場合、所得の中央値(メディアン)が最も的確な指標である、1973年前後から世帯所得の中央値の成長率が減速している、このころから果実が失われ始めた(p34)
・年間成長率が3%の社会は、2%の社会と比較して、140年経過すると、4倍豊かになる、この格差は、アメリカとパナマ・カザフスタンの格差になる(p37)
・1950~93年の数字を見ると、経済成長の約80%は、過去の知識の応用と、教育および研究へのふんだんな投資の組み合わせにより実現していた、この様な成長を今後繰り返すのは難しい(p39)
・21世紀に生きる私たちより、19世紀の人々のほうが重要な発明を生み出す確率が高かったことが、年間イノベーション件数をみるとわかる(p40)
・アメリカは世界のどの国よりも、GDPに占める医療関連支出の割合(15.5%)が多いが、乳児死亡率は6%以上(日本は2.6%、医療費:8.1%)と高い(p59)
・高校卒業資格を取得する20%は、高卒者ではなく、認定試験合格者であるが、彼らは労働市場では高卒者扱いはされない(p67)
・政府、教育、医療費支出でアメリカGDPの25%を占める急成長部門であるが、これらは価値を数値化するのは難しい、この産業にアメリカの経済のけん引役を頼っていることに不安を感じる(p71)
・インターネットの世界は、産業革命初期のイギリスと似ている、インターネットはすべての人の生活を変えたわけではないが、多くの人の暮らしを様変わりさせた(p75)
・インターネットが生み出す価値の多くは、個人が私的に経験するものなので、生産性のデータに反映されない、2ドルのバナナを買えばGDPはその分だけ押し上げるが、インターネット上で20ドル相当の価値ある娯楽を経験してもGDPは上昇しない(p78)
・インターネット関連企業の従業員数はとても少ない、グーグル:2万人、フェイスブック:1700人、ツイッター:300人等(p81)
・インターネットは素晴らしいものだが、収入を生み出せる部門を経済の中に保つことはできていない(p84)
・アメリカの所得上位5%層が、所得税収の43%以上(1%層が27%)を負担しているので、富裕層への課税を強化しても以前ほどの効果は上がらない(p92)
・経済の生産性が年率3%を上回るペースで成長し、それにともない資産価格も上昇することを前提に、さまざまな計画を立てていたが、それが届かなければ破綻するのは必然(p107)
・サブプライムローン市場も、富裕層対象の現代アート市場も崩壊したが、その要因としては「過剰な自信」という同じ要因が作用していた(p111)
・18世紀にイギリスで科学が力強く進歩したのは、社会全体に科学と工学を尊重する文化を築き、それをうまく機能させられたから、当時の中国は科学尊重の文化が根付かなかった(p127)
・今日のにほんは低成長時代の生き方を示すお手本である(p130)
・携帯電話、電子書籍、インターネット(フェイスブック)等で生活は確かに変わったが、雇用や収入を生み出していない点で、過去のイノベーションとは異なる(p152)