・アメリカではリーマン危機(2009)以降、状況が完全に変わり、いまでは職一つに対して応募者は四人いる、つまり1回失業すると次の職がみつからない、6か月以上職探しをしている人が600万人いある、これは2007年の5倍、1年以上探している人は400万人(p23)
・失業は、しばしば健康保険を失う、アメリカは他のどんな先進諸国よりも社会的セーフティネットが弱い(p23)
・世界経済で何がおかしくなったかを理解するための決定的な特徴とは、「あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入」となるという事実(p47)
・住宅バブル破裂後の1年ほどは、アメリカ経済は輸出を増やすことでなんとかやりくりしていた、でも2007年末に下降に向かい、いまだに回復していない(p52、151)
・現在の不況を脱出するために必要なのは、もう一段政府支出をドンと行うこと、エイリアンが攻めてきたというデマがあれば好都合かも(p60)
・アメリカの対外資産と対外債務との差の赤字は「たった」2.5兆ドル、毎年15兆ドルのGDPを生産する経済としては大した額でない(p67)
・借り手が支払えば支払うほど、借金は増える、大恐慌の背後にあるのはこれであると、フィッシャー氏はコメントしている、1929-33年のアメリカが体験した(p69、74)
・19世紀の銀行は自己資本率が20-25%もあったので、預金の価値は総資産価値の75-80%程度、つまり融資額の20-25%失っても払い戻しできた、ところが2008年は数%であったので、ちょっとした損失でも破綻しかねなかった(p86)
・1999年に預金銀行と投資銀行との区分は廃止され、グラス=スティーガル法はなくなり、規制を受けない金融システムができあがった(p91)
・アメリカ人の所得(メジアン)は1995年以降あまり増えていないが、上位1%の所得は爆発的に増えた、トップ0.1%や0.01%はさらに上回る(p105)
・トップ0.1%の所得のうち、半分近くは非金融企業の経営・重役陣、2割は金融業、そして弁護士を加えると全体の75%(p110)
・リーマンの破綻が多くの被害をもたらしたのは、それによりシャドーバンキング(特に短期負債)の取り付け騒ぎが起きたから(p153)
・第二次世界大戦末にアメリカ政府が負っていた2410億ドルの負債(GDPの120%)は、返済されていないのが回答(p186)
・支出を1000億ドル減らしても将来の負債は1000億ドル減らない、支援プログラム支出が増えるし経済が弱くなって税収が減るので(p189)
・戦後にアメリカが不況に戻らなかったのは、戦争直後のかなり高めのインフレにより家計の債務負担が減少、戦争中に高めの賃金を稼いだ労働者たちは、それ以上の借入ができなかった(p194)
・FRBがおカネを刷る(=資産を買う=商業銀行が所有する財務省証券の所有権を移転)のがインフレにつながるのは、この金融緩和が、高い支出と高い需要につながる場合である、2008年以降はその資金を準備金講座に寝かしたままとなっている(p203,205)
・スペインが独自通貨を持っていれば、賃金をそのままにしたまま通貨切り下げを行えば、賃金を引き下げること(ドイツ賃金に対して)ができる(p222)
・ユーロ到来により、各国のリスクに見合ったプレミアムが激減した、つまりギリシア負債がドイツ負債と殆ど同じくらい安全なものとして扱われた(p227)
・ドイツの経常収支と、ギリシア・アイルランド・ポルトガル・スペイン・イタリア(GIPSI)の経常収支は合計すればほぼゼロ(p229)
・GIPSIの負債/GDP比率は2007年までは順調に下がっていった、負債が急増したのは危機がやってきたから(p232)