・英国国教会はもともとカトリック教会であったが、16世紀にヘンリー8世の離婚問題を契機にローマ教皇庁と対立して、教皇クレメンス7世により破門されて、1558年エリザベス1世によって国教会となった(p14)
・グールドは、オハイオ州イエロースプリングにあるアンティークカレッジに入学、1852年創設の名門だが、反人種差別を中心とする左派活動家の拠点となった、2011年に小規模なリベラルアーツの大学として再建された(p44)
・ドーキンスの提唱した「利己的な遺伝子」は、生存競争にかかわるのは個体ではなく遺伝子であり、遺伝子が利己的だからこそ個体として利他的な行動が進化すると述べたが、大衆はこの本は利己的な行動を擁護するものと誤解してベストセラーになった(p64、85)
・グールドが提唱した「断続平衡説」は、種が基本的には安定した平衡状態にあり、しかるべきときにのみ「ごく稀に」急速な種分化の見られる期間(断絶期)があるという仮説で、ゆっくりと小さな突然変異の積み重ねによって漸進的に進行するという見方(ダーウィン)と対立するもの(p73)
・カンブリア紀に現生のほとんどの動物門が出現したのは事実、地球の酸素濃度の上昇により、はじめて体の大型化が可能になったため化石として見つかった、それ以前は小さすぎて化石として残らなかった(p109)
・大リーグでなぜ4割打者がいなくなったかは、打者の能力が低下したのではなく、守備と攻撃の双方の技術が向上することで、集団の変異幅が縮小したためと、グールドは例証した(p111)
・秘密結社で有名なKKKは、ユダヤ人を排斥対象リストに入れていた、2009年に黒人大統領が就任したが、ユダヤ教徒の大統領はいない(p119)
・東欧系は別のいわれの無い差別を受けていた、1924年に成立した絶対移民制限法で、移民の構成を1890年の国勢調査の出身国構成比の2%以内に制限することで、アングロサクソン以外の移民を殆ど拒絶した、日本人だけでなく、東欧系・南欧系の移民も同様に迫害を受けた(p120)
・人種差別のルーツは大きく2つあり、1)キリスト教成立以来の宗教的・文化的な相違、2)西洋列強の植民地支配にまつわるもので、先住民をその土地から排除して黒人を奴隷として使役することを正当化するための論拠として用いられた(p127)
・少数な征服者が強大な王国を打倒できた理由は、銃などの軍事技術の優劣に劣らず、ヨーロッパ人が持ち込んだ伝染病の流行である(p127)
・スペイン人は現地民を強制労働につかせて死に至らせ、穴埋めにアフリカ西海岸の黒人を奴隷として連行、そのシステムを欧州列強が模倣して植民地経営を行った、これを正当化する論拠として使われたのが、人類進化論で黒人→有色→白人という形で進化したので白人は黒人及び有色人種を支配する権利があるという主張、この時の科学的根拠とされたのが「知能テスト」(p128、129)
・ダーウィン進化論の主たる業績は、1)進化が事実である、2)進化のメカニズムとしての自然淘汰の提唱、3)人間を含めた自然を神の手から解放して科学の対象とした(p191)
・メンデル遺伝学は、「優劣の法則」「分離の法則」「独立の法則」から成っているが、それぞれに例外は見つかっていて厳密には成立しないが、基本的な正しさは変わらない(p202)