・GDPとは、市場で取引された財・サービスの総計、言い換えれば、国民全員が仕事をして得た所得の総額である。欧州のGDPは1913年には47%だったが、2012年には25%(p15)
・1820年から欧米のGDPシェアは急激に上昇している、これは産業革命のお蔭である。産業テクノロジーが飛躍的に進歩して、一人当たりの生産性が高まったため(p17)
・欧米シェアは1950年をピークに下がっていて今後も続くだろう、産業革命以降、発展したテクノロジーはもはや欧米だけのものではないから(p18)
・GDP成長率=一人当たりGDP成長率+人口増加率、である(p23)
・人口増加率は、古代から20世紀半ばまでうなぎ上り、1950年ー90年の2%弱をピーク期として急降下している(p24)
・GDPシェアはいずれ、人口シェアと同程度になると予測している(p30)
・世界人口増加率が21世紀末に0%近くにまで減少されている一方で、一人当たりGDP成長率は1%強に留まると予測している(p33)
・累進課税をするにしても、しっかりとした番号制度(納税者番号)と歳入庁(社会保険料と税の一体徴収)をしないと、累進課税がうまくできない(p40)
・二つの世界大戦を機に、金本位制は失われた。膨大な戦費を到底賄えなかったから(p46)
・金融資産と実物資産を足すと二重計算になってしまう、株や預金にしても同様。預金者にとって預金は資産だが、銀行にとっては負債(p54)
・二度の世界大戦が、財政と政治に与えた影響は、外国資本の損失(革命による収用:ロシア革命により焦げ付いた資金)と国民の貯蓄率の低さである(p58)
・家賃統制政策(不動産から得られる利益の減少)や、企業の国有化(株式投資は控えめ、株価下落)、配当課税・利潤課税・累進課税により、資産家の財力は削がれていった(p63)
・1970年以降に、資本/所得比率が増え始めた理由として、1)民営化、2)資産価値そのものの上昇、がある(p68)
・日本の資本/所得比率は、700%に達した1910-30年をピークとして減少し始めて、1950-60年代には300%程度になった。しかし、1990-00年には再び700%程度に回復している(p76)
・世界の資本分配は、1910年頃までは欧州が50%以上であったが、2000年ころには、アジア・米大陸・欧州は同程度となり、2050年には半分を占めるだろう(p83)
・資本収益率=資本に占める資本所得の比率(r)が、「21世紀の資本」を理解する重大な鍵の一つとなる(p89)
・トップ1%の所得比率の大幅な上昇(所得格差の大幅な拡大)は、アングロサクソンに特有、非アングロサクソンでは少ない(p97)
・新興国では、財政金融、税に関する制度が確立されていないことがあるので、不平等が起こりやすい(p102)
・歴史的事実として、税引き前資本収益率(r)は、つねに成長率(g)より大きい。r>gという不等式がなりたつ(p110)
・21世紀後半の成長率は、19世紀とほぼ同程度となる、従って、(r)と(g)の格差は、産業革命期と同じ水準に近づく(p114)
・二度の世界大戦と大恐慌をまたぐ1913-50年に、資本収益率1%、成長率2%という逆転現象が起きた。1980年代以降、資産家の財力は復活し始めたが、3-4%という高成長率に支えられて、成長率が収益率に勝る状態は、2012年まで続いた。これは一時的現象である(p115、117)
・アングロサクソン国は、急激に税率を上げるものの、一定期間が過ぎるとすぐに税率を下げ、資本家の有利になるようにしているように見える(p123)
・所得税と同様、累進課税の強化は、有事の要請に応じたもの。アングロサクソン国とそうでない国は対応の違いがある(p128)
・r>gという不等式が成り立つ補強証拠として取り上げられたのは、1)資本(主に民間資本)/所得比率(=国民が1年間に得る所得の、何年分に換算できる資本が存在しているか)、2)所得格差(=トップ1%の所得比率)、3)資本格差(=トップ1、10%の資本比率)(p136)
・累進性の強い税率こそが、格差縮小の鍵であるとピケティは言っている(p142)
・より幅広く、長い時系列のデータを地道に並べたことで、ピケティは、ノーベル賞を受賞した、クズネッツ理論を壊してしまった(p147)