・2035年、ほとんどの癌が治療可能に、その理由は、癌の本質は基本的に遺伝子の異常によって引き起こされるいでんししっかんであり、2000年代に入ってから個々の人々の遺伝子配列を解析する技術が飛躍的に高まったから。この結果、直接アプローチする「分子標的薬」という治療薬とそれを中心に据えた治療法が開発、確立されたから(p17)さらに、ゲームチェンジャー(ある分野の状況を一変させてしまう)が存在する、2018年にノーベル医学賞を受賞した、本庶佑博士らが開発して「免疫チェックポイント阻害剤」、さらには楽天メディカルでは「光免疫療法」という治療法に取り組んでいて、2020年6月に承認申請が成されている(p21)現在は、分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤をどう組み合わせるかの段階に入っている(p22)
・ワクチンの場合は、健康な人に投与することが前提になので、安全性に関する要求度は、病気の人に使う治療薬と比較してさらに高くなる。(p25)
・iPS細胞について現時点で疑問視されているのは、多様性の部分である。どのような組織、臓器にでも分化できるはずと当初は考えられていたが。実験を重ねていくうちに意外とそうでも無いということが見えてきた(p46)再生医療は壁にぶち当たっている(p159)
・加齢により水晶体が白く濁って視力が低下する白内障は、症状が悪化すると人口水晶体(眼内レンズ)に交換する手術を施す。これも立派な臓器交換である(p49)
・インフルエンザワクチンの予防接種は、弱い人たち(高齢者、乳幼児など)が死ななくて済むように実施されている面が多分にある(p57)
・現在の日本においてAIによる画像診断ソフトウェアの開発で先頭を走っている、脳動脈瘤を見つける画像診断ソフトが動脈瘤を見つけた割合は、人間医師よりも10ポイント高い数値出会った。医師法による制約もあり、運用面となると簡単でないが、少なくとも技術的にはAIが人間の画像診断をすでに凌駕している(p69)
・現在の日本では法的に認められていない安楽死についても、オランダ、スイスなどの一部の国では終末期の患者の自己決定権として認められている。医師法を改正して医師の役割を明確化出来次第、2032年頃というのがあるべきタイミングだと思われる(p82)
・2016年からは処方を含むレセプトに関するデータが公表されるようになった、病院や調剤薬局のレセプト(保険診療で行われる医療行為について診療報酬を請求するための書類)などの情報を集める「ナショナルデータベース」の事業が形になったから(p90)
・制度関連年表によれば、2023年:オンライン診療定着、2025ねん:病院へのフリーアクセス禁止、医師の働き方改革法制定、2028年:国民皆保険負担率5割。2030年:医師法大改正、看護師法、薬剤師法等改正、2032年:AI医師法制定、安楽死法制定、70年以上も医師法が変わらなかったのは、17万人以上の医師を会員にする日本医師会が、反対してきたから(p96)
・2018年には初心および急性疾患を除いてオンライン診療も健康保険が使用可能になった、さらに2020年4月には初診でさえも、コロナ感染が終息するまでという期間限定であるが、解禁された。これによりオンライン診療を多くの医師達が実践することになった(p103)
・オンライン診療が本当に使えないかどうかは、人間が五感によって得ているのと同レベルの情報が入手できる段階になってから判断すべき、それができるのは2023年くらいであろう(p108)
・2008年にオリンパスが日本で発売を開始したカプセル内視鏡は、口から飲みこんだ薬サイズの内視鏡が体の中を旅して周り、消化器系の異常を報告してくれる装置である(p117)
・自動運転の技術が実用段階に達して、さらにAI診断と連携されれば、自動運転車は、自動で往診に行って帰ってくる無人の診療室、に応用できる可能性がある。自動運転と、AI医師による自動診断との共通点が多い。(p129)
・日本の医療保険は、全国健康保険協会の運営する「協会けんぽ」(比較的小さな企業が加入して共同運営)と、大企業が独自に運営する健康保険組合がある。どちらでも事故負担率は3割であり、アメリカに住んでいる人の状況に比べると、持っている保険証の種別で受けられる医療に本質的な差はない(p140)
・テニスは対戦相手とさえ合意できればいくらでもゆるくできるスポーツである(p153)
・理想的な考え方としては、50代までは生活習慣病対策としてダイエット(内臓脂肪を減らす)を心がけて、60歳以降の目標は体重を維持(筋肉を落とさない)すること、太り過ぎはダメだが「小太り」が長寿である(p158)
・日本では、臓器移植法や医師法も含めて「死とは何か」を明確に定義していない。呼吸停止・心停止・瞳孔拡大、という3つの徴候を持って人の死の診断基準とする「三徴候説」が昔から有力な説としてあるのみ(p202)