・腰が軽いものから重いものまでまんべくなくおり、しかもサボろうと思っているものはいない、という状態になっていれば、司令塔なきコロニーでも必要な労働力を必要な場所に配置できるし、いくつもの仕事が同時に生じてもそれに対処できる。さまざまな個体が交じりあっていて、初めてうまくいく点がキモである(p65)
・働くものだけを取り出してもやはり一部は働かなくなる、という現象は人間における社会学の領域で「2:8の法則」とか「パレートの法則」と呼ばれているが、蟻の世界でも実在する現象である。原因は、仕事への反応性の個性のせいだと考えられる。(p71)
・さまざまな仕事を同時に効率よく処理するためには、コロニー内の反応閾値の変異を大きくしておく必要がある。するとコロニー内に多様な反応閾値を示すグループが必要になり、それを保持するために、女王は多数のオスと交尾して、それぞれの反応閾値をワーカーに継承させる必要がある(p73)
・誰もが必ず疲れる以上、働かないものを常に含む非効率的なシステムでこそ、長期的な存続が可能になり長い時間を通してみたらそういうシステムが選ばれたということになる(p84)
・強調しておきたいのは、「働かないアリ」は「働きたくないから働かない」訳ではないといいうこと。みんな働く意欲は持っており、状況が整えば立派に働くことができる(p86)