・法科大学院などの専門職大学院への進学や海外留学は、一見、カッコよく思われますが、むしろ就職の機会を逃し、高学歴難民を生み出してしまうこともある。学歴は、称号として経歴を飾るどころか「烙印」ににさえなり得る。学歴社会が崩壊に向かう時代、ありすぎる学歴は成功を遠ざけるのでしょうか(p3)
・本書の目的は、教育や雇用をめぐる社会的議論を展開することではなく、高学歴難民やその生活を支える家族の視点から、教育の意義や社会の課題、そして、個人の幸福について考えることにある(p5)
・2004年から開始された法科大学院ですが、現在はその半数以上が廃校になっている、大学院の学費は高く、法曹資格を取得した後も奨学金の返済に苦労している人々もいる。こうした事情から当初に比べて入学者も激減した(p78)
・気に入らないことがあったら、すぐ辞めるんじゃなくて、改革できるようなポジションにまで昇り詰めて自分で変えたらいい、弁護士の叔父から言われた言葉を思い出し、3年は働いてみようと決めていたが、社内では全く評価されなかった(p127)
・田舎のコミュニティは残酷である、子供時代のカーストが大人になるまで続く、自分を知る人が誰もいない世界は本当に快適であった(p158)
・大学院入学の理由は「社会を変えたい」という高い志からというよりも「就活のタイミングを逸した」「就職試験に落ちた」といったモラトリアムとしての大学院生活が主たる目的だと語っている人が少なくありません。また、社会に出る準備ができていないために大学に残った人もいる(p166)
・高学歴難民が社会的に孤立する要因として、連帯することの難しがある、とりわけ男性難民は学歴のプライドに加え、男としてのプライドの高さが連帯を妨げ、孤立を招いている(p168)より就労のハードルが高いのは、圧倒的に中年男性高学歴難民である(p169)
・学歴はなくとも事業に成功し社会的な影響力をえている人々もいる、実績で成功を収めた人々は、学歴止まりで実績のない人より、確実に社会的に評価される。この現実が、痛いほど身に染みているからこそ、高学歴難民は辛い(p185)
・世の中には成功者の言葉ばかりが溢れていますが、筆者はむしろ苦難の真っ只中にいる人々から発せられる言葉の方が胸に迫るものがあり、岐路に立たされた時、役に立つと考えている(p187)