・2022年の新年のメッセージで章男氏は3つのお願いを従業員に語った、1)何か新しいこと(言語、絵画、音楽、運転技術の向上など)を学ぶ、2)世界のいろんな地域にいるトヨタの仲間と連絡を取り合い、彼、彼女が自分と同じ課題にチャレンジしようとしていることを学ぶ、3)仕事以外の時間を楽しむ、スマホを切りパソコンを閉じて、体を動かし思いのまま楽しむ(p30)
・この3つのお願いは、時代の変化を感じさせた、新型コロナウィルスは私たちが人生や働き方を見直す気かっけとなった、長時間通勤・残業が当たり前でそんな会社人間には、家族・友人と過ごす時間なく、新しいことに挑戦したり、仲間を作ったりする余裕がなかった、大量生産大量消費のビジネスモデルのもと「改善」を重ねれば成長できた時代にはそれでよかった。しかし今求められているのは、新しい価値を生み出す創造性やイノベーションである(p30)
・石炭火力に電力を依存する国々がEV化を進めれば、返ってCO2の排出を増やしかねない、石炭を燃やして電気で走るという矛盾が生じる、そればかりか電力不足や電気代の値上がりを招きかねない。世界一律のEV化推進でなく各国のエネルギー事情に即して多様なパワートレーン(動力を推進力として伝える装置の総称)を揃える方がいい、どの車が良いかは置かれた環境によるという考え方である、なのでトヨタは多くの選択肢を準備したいと思っている(p48)
・超小型EVの普及にあたり、従来の「つくって売る」事業モデルからの脱却を図ろうとしている、法人利用や自治体利用を含めた幅広いユーザーの獲得、リースを活用した貸して稼ぐビジネスモデルの構築のため、サブスクリプション(継続課金)モデルの設定に取り組んでいる。具体的には、法人であれば会社と従業員でシェア、自治体であれば近隣住民と共有するといった利用の仕方である(p53)2018 年1月、自動車会社からモビリティカンパニーへのフルモデルチェンジを宣言している(p135)
・トヨタは22年に初の量産型となるEV「bZ4X」を発売する、EV専用ブランドを使った「b Zシリーズ」第一弾となるミディアムセグメントSUV型EVである、航続距離最長500キロで、テスラの「モデル3」や日産の「アリア」に迫る(p60)
・ガソリン車はEVに置き換わるか、その行方はいまだに混沌としている、各国のエネルギー事業を踏まえれば世界の新車市場がEVオンリーにシフトするとは考えにくい。政治情勢によっては、今後EVシフトが軌道修正されることも考えられる(p61)
・21年国内車名別ランキングにおいて、上位4位はトヨタ、ヤリス・ルーミー・カローラ・アルファード、6位にライズ、7位にハリアーであり、新車登録国内市場シェアは50%を超えている(p70)
・トヨタは以前は走りを楽しむスポーツカーのラインナップを揃えていたが、1999年12月「セリカGT-FOUR」の生産中止を機にスポーツカーが消えた。2009年11月には02ー08まで参戦してきたF1も撤退した、そして「ガズー・レーシング・カンパニー」は、2019年1月「スープラ」を17年ぶりに復活(2002年に姿を消した)させた。(p85)
・トヨタは、既存の市販車をモータースポーツ用にチューニングするのではなく、モータースポーツ用に開発された車を市販化するという逆転の発想へと開発姿勢を転換した、モリゾウ改革である(p104)
・モデル数が多い車の開発をグルーピング化した、趣味感性に特化したスポーツ系「A」量販車や個人一般向け「B」社会貢献に資する「C」新しいコンセプトや技術を提案する「D」(p114)もっといい車の推進方法として、1)基本性能・商品の向上(素のいい車)、2)グルーピング開発という発想(賢い共用化)、3)サプライヤーも含めた生産現場での連携、協業(賢いものづくり)の3つのサイクルを回すことで実現する(p115)
・ウーブンシティは完全に民間主導で進められるところに特徴がある、自治体との煩雑な手続きをしなくて済むしほとんが自社資本であるので、スピーディな決断と思い切った実証実験が可能である(p139)第一フェーズの完成予定は24−25年頃だが完成時期は定めていない(p142)
・2020年7月には、ウーブン・プラネットホールディングズを設立し、その元に自動運転技術の開発を担う「ウーブン・コア」と、ウーブンシティに新たな価値の創造を担う「ウーブン・アルファ」の2つの事業会社を立ち上げた、ビジョンは、人・モノ・情報の3つのモビリティ=自由に動けることの実現を目指す(p149)ウーブンとは、織込まれた・編み込まれたを意味する言葉であり、トヨタグループの原点である「織機」と深く関わる言葉である、ものづくりをルーツとしハードウェアに大きなアドバンテージを持つトヨタを縦糸とし、ソフトウェアやインフラ・医療など多種多様な分野の技術を横糸として織物を織り上げることで、イノベーションを実現する(p156)
・ファーストには、日本語でいう2つの意味がある、1つは「第一位」もう一つは「他より先に」(p160)
・現在国内生産1000万台のうち半数の500万台を輸出している、LCAでのCO2規制が国際的に強化されると製造時のCO2排出量の多い日本の車の輸出がゼロになる恐れがある、経済影響は26兆円(p169)
・水素エンジン車が曲がりなりにも走るところまでこぎつけられのは、1)特殊なインジェクター、2)水素タンクおよびその搭載技術、3)強力なエンジンの存在、である(p173)
現在は大半がグレー水素である(p185)水素運搬の輸送を担ったのは、トヨタ、いすず、スズキなど5社による商用車連合(CJPT)である(p190)
・中部圏水素利用協議会は、出光興産・岩谷産業・中部電力など18社が参加して30年に年間30万トンの水素利用(ウーブンシティにおいて)を目標にしている、また水素燃料電池を動力源とするエコシステムを構築する、パートナーはENEOSである、すでに4大都市圏において47箇所の水素充填ステーションを展開している(p193)
・バイオディーゼル燃料とは、微細藻類「ミドリムシ」の油脂と廃食油を原料につくったもの、マツダの持つディーゼルエンジン音を低減する技術が活用されエンジン音がしない。スバルは、22年の耐久レースからバイオマス(動植物から作り出される有機性の資源)を由来とした合成燃料を使った車両で参戦する。(p196)
・何もしないで迎える20年、30年後と、「未来をもっとよくしたい」という意志を持ち、情熱を持って行動して迎える20年後、30年後では、必ず見える景色は変わってくる(p204)投資はリターンありきではなく「こうなってほしい未来」に期待するものである(p208)
・ベンチャー企業が大企業に勝つ武器は2つある、1)大志、2)365日24時間働くこと、豊田喜一郎はその2つを兼ね備えていた、昭和の経営者である(p219)
2022年9月22日読了