・2022年2月から9月末までに発生した戦闘は、世界全体で1万8061回あり、このうちウクライナでの発生は、3170回と世界最多である。つまり全世界で起きている戦闘の約6分の1がウクライナに集中している、これには麻薬組織などが引き起こしたものも含まれるから、国家間紛争という括りで見た場合の比率はさらに高まる(p20)
・バイデン大統領は、ウクライナのNATO加盟には一切の言質を与えず、6000万ドルの追加軍事援助を発表したのみ、ノルド・ストリーム(パイプライン)への制裁緩和もそのままであった、ウクライナに対するロシアの振る舞いは認めないが、ロシアとの厳しい対立は望まないという姿勢である(p37)
・ウクライナ語の書き言葉は17世紀初めまで、当時のロシア語と全く同じ、話し言葉は少々違ったが、そう大きく異なった言語ではなかった、分化したのは近代になってウクライナの国民的作家が活躍するようになってから、しかし彼らとて散文はロシア語で書いていた(p68)
・ベルラーシでは憲法改正が成立(2022/2/27)し、憲法第18条から非核化と中立に関する文言が削除された、核兵器配備が少なくとも法的には可能となることを意味している(p83)
・ロシアは建前であっても徴兵勢力は投入しないと公約した以上、徴兵の事態が露見すると戦地から引き上げざるを得なかった、従って15万人というロシア軍の侵攻勢力は、全地上部隊から徴兵を除きたほぼ全力であったと考えられる。戦時動員で増強されたウクライナ軍(2020/5には70万人、開戦前の30万人、7月には100万人)に対して兵力で劣勢なことは変わりなかった(p126)
・マウリポリの陥落は2つの意味で、ロシア軍には大きな意義を持っていた、1)2014年に併合したクリミアと東部ドンバス地方を結ぶ回廊が完成した、クリミア半島につながる兵站線を確保し、南部と東部の間で兵力を融通できる、2)他の戦域に投入できる余裕ができた(p147)