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summary

火山と断層から見えた神社のはじまり (双葉文庫)

火山と断層から見えた神社のはじまり (双葉文庫)の写真

・日本列島の近辺では、太平洋(東)・フィリピン海(南)・北アメリカ(北)・ユーラシア(西)プレートという4つのプレートがせめぎ合っており、その複雑で激しい地殻の運動の結果が火山と地震に他ならない、阿蘇山・霧島山・富士山など名だたる火山には歴史ある神社(阿蘇神社=宮司の阿蘇氏は92代目・霧島神宮・富士山本宮浅間大社)がある(p8、12)

・神社の始まりを探る作業は「国つ神」について考えることになる、出雲大社(島根)・熊野本宮大社(=本宮大社・速玉大社・那智大社@和歌山)・諏訪大社(長野)は、全国各地に多くの支社、分社を持ち、古代に起源を持つ信仰の歴史は力強く継承されている(p17、128)

・玉作りの主要な材料である碧玉の採れる地域は限られている、新潟県の佐渡島、石川県小松市、兵庫県豊岡市、出雲地方(松江市玉生湯町)である(p39)

・三種の神器は、政治(鏡)、軍事(剣)、宗教(勾玉)という古代社会の3つの権威を象徴しているという説がある、本書のテーマは神社なので、注目するのは勾玉である(p50)

・武蔵国(東京、埼玉、神奈川の一部)の国府があったのは、東京都府中市で、府中駅の近くに広大な神域を持つ「大國魂神社」がある。この社名は大国主別名の大国魂神と重なっている。主祭神である大国魂大神はオオクニヌシであると言われる(p83)東北地方にも広がっていて、湯殿山神社(山形鶴岡市)飛鳥神社(山形県酒田市)太平山三吉神社(秋田市)筏隊山(ばつたいさん)神社など、地域を代表する古い神社もある、これらはオオクニヌシを祀っている(p87)

・出雲の神々の物語を通して日本人が受け継いできたのは、「玉」と温泉によって象徴される火山列島の信仰だったのではないか(p127)

・気象庁は、日本の火山のうち、過去1万年間に噴火したかどうかを基準として、111の活火山と指定して警戒対象としている。1万年より前に活動していた休火山、死火山を含めると日本列島にはおびだたしい数の火山がある(p130)

・千と千尋の神隠しの舞台となったのは、松山市の道後温泉本館である、現在は市営の公衆浴場で一階は「神の湯」二階はやや高い料金の「霊の湯」である(p157)

・諏訪大社とは諏訪湖を挟んで南北に鎮座する4つの神社の総称である、南側に上社本宮(諏訪市)上社前宮(茅野市)北側に下社春宮と下社秋宮(下諏訪町)がある(p159)一番観光客が目立つのは、下社秋宮である(p160)

・延喜式に記録されている伊豆国の神社92座の代表格が、三島市に鎮座する三島大社、伊豆国一の宮である、大国主の長男格(コトシロヌシ)が祀られている(p170)

・諏訪大社の分社の数は5000社、合祀や境内社を含めると全国に一万社の諏訪神社があり、特に興隆している神社である(p183)

・日本列島で最も美しいとされていた石は、翡翠(ヒスイ)で、碧玉、メノウ、琥珀がそれに次ぐ、石器素材として最も珍重されたのが黒曜石、そのほか、サヌカイト(安山岩の一種)貢岩、玉髄などの石器が見つかっている(p188)

・主要な黒曜石産地の近くには、神社がある、諏訪大社・三島大社・出雲大社・宇佐八幡宮(p190)江戸時代まで神道界の総元締めのような役割を持っていたのが、吉田神道の拠点である吉田神社があるのが吉田山である(p214)

・二大構造線(中央構造線、糸魚川静岡構造線)に沿った神社と鉱物産地がある、天津神社(翡翠)・鹿島神宮(砂鉄)・伊勢神宮下宮(辰砂=朱)・諏訪大社(黒曜石)・大神神社(辰砂=朱)、さらに中央構造線に沿って、豊川稲荷(稲荷信仰の中心)、日前国懸神宮(和歌山)、石鎚神社(愛媛)がある(p217)大神神社は広辞苑では、日本最古の神社で三輪山が神体とされる、美しい山と神と仰ぐ原初の神社の始まりは大神神社にあると考えられている(p226)

・現在、神宮と称している神社は20数社しかなく、伊勢神宮、熱田神宮、明治神宮、橿原神宮などは天皇家の先祖神あるいは歴代の天皇や皇族を祭神としている、天皇家とは血縁がなく家来のような地位の神を祀っているのは、鹿島神宮・香取神宮(千葉県)石上神宮(天理市)くらいである(p233)

・北陸新幹線の小松駅近くの八日市地方(じかた)遺跡は、北陸では最大級の弥生時代の環濠集落であり、玉作りの拠点(碧玉)としても注目されている(p246)

・現在進行している温暖化は、過去百年で一度程度、平均気温が上昇しているのに対して、氷期とその後の温暖期(縄文海進)では、「三年で7度」という激烈な変動であった(p280)水月湖(福井県若狭町)の湖底堆積物のデータから、突然気候が変わった年が見える、それは今からおよそ「16100年前」であると絞り込まれている。太平洋にあったアトランティス島が消滅したのは、プラトンの生きた時代から9000年前のこととされている、プラトンは今から2400年ほど前の学者なので、単純計算すると、アトランティス島が消滅したのは、氷期の終わった16100年前頃と概ね一致する(p281)

・日本列島4万年史の上では、西日本の繁栄の中心を、旧石器時代=出雲、縄文時代=日向(南九州)、弥生時代・古墳時代=近畿となる(p295)