・ 投資のために借りるのは 投資収益が借り入れ コストを上回り 限りにおいて 理にかなっている、だが 消費のために借りるとそれを払うために別の借金をしたり 企業であれば 営業利益から捻出したりしなければならない、 黄金律しては「投資のために借りよ、消費のために借りるな」である(p29)
・ バブルというものは崩壊して破綻の連鎖を引き起こすのが常ではあるが、 次における債務危機はこれまでとは 桁外れの規模になるであろう。 今日では先進国も 新興国 もかつてない 規模の債務を抱えている(p45) 債務負担の大きい中央銀行は政府が破綻するに任せるか、 それとも 高インフレで債務を帳消しするかの決断に迫られるであろう、 後者はデフォルトの一種である。 こうした事態が最初に起きるのは、おそらく ユーロ圏であろう。 有料 加盟国は自国の金融危機を防いでくれる 独自の中央銀行を持たないからである(p46)
・ 赤字国の財務省の多くは 金利負担を減らしたい にもかかわらず 借入による資金調達の方を好む、理由は 直接投資を受け入れると 少なくとも一部の資源、 国営企業、 港湾や 送電網などの支配権を譲渡しなければならないからである(p59)
・ 先進国で社会保障のセーフティネットが整備されたのは 多くの労働者が退職年齢に達する前に死んでいた時代であった、 今日では65歳で退職し年金の受給を開始すると おそらく 数十年続き 社会保障税の確保を大幅に上回ってしまう (p93)
・平均的な労働者の年齢が先進国の中で 最も高い 日本では、高齢化に対する答えは 移民ではなく、ロボットの導入・ 自動化を推進している。人間に変えて アルゴリズムに仕事をさせるようになっている (p97)
・ 公式には 1970年代半ばから 後半 に2度にわたる 景気後退を引き起こしたのは オイルショックだったことになっているが 、詳しく分析すれば原因は 金融・財政政策に遡るのであって OPEC のせいではないことがわかる(p129)
・ 日本銀行は金利でお金の価値を調整するのではなく、長期国債の買い入れによって流通する通貨の量を調整し長期金利を押し下げるやり方を選んだ(p207)
・ドルは今後5年程度はおそらく 安泰だろうが数十年を見通すとドルの輝きは失われていく可能性が高い、 ドルが 国家安全保障 目的で武器として使われるようになればなおさらのことである (p214)
・ 通貨の条件の1つとして、広く使われる 決済手段であること、 暗号通貨のビットコインとイーサリアムは膨大なコンピューター 資源を必要とするため 1秒間に処理できる取引件数が1ダースにも満たない、 これに対してVISA のネットワークは1秒あたりの処理件数が5万件に達する(p226)
・ これまでの産業革命は生産性を向上させてきた、 第1次産業革命は蒸気機関、 第2次は大量生産、 第3次は電気を全面 活用した。 この3回の革命は多くの仕事を不要にしたが、退場させた仕事を上回る数の雇用機会を後に創出している、 だから人間を永久に不要にすることはなかった。 だが今日はどうだろう、 人間の労働者が働ける場所はどんどん減っている。 ハイテク企業は残念ながら 過去の製造 大手企業と比べると 雇用数が極めて少ない(p311)
・ AI はまず定型的な作業を肩代わりすると、次には認知能力が必要な手順を踏んで実行する仕事に進出し、 創造的な仕事もこなすとなれば 創造性を必要とする職業も含め人間の出番はもはや どこにもなくなる。そのような 汎用人人工知能(AGI) が登場する日はそう遠くない。AGIとは、人間と同様の感性や思考回路を持つ人工知能のことである (p316)
・閉鎖的なソ連 経済は 資源輸出に依存していた、 これに対して中国は様々な産業が発展し多くの品目で世界をリードしている。外交術も ソ連よりはるかに したたか である (p353)
・中国 指導部は自国の賃金水準が上がっており 生存 コスト面の優位が いずれ終わることをよく知っている、 中国が2030年までに AI で 世界のトップに立ちたい理由の一つはそこにある(p355)
・グリーンエネルギーへの転換には、銅・アルミ・ リチウムなどの資源が欠かせない。 これらの鉱物を採掘・ 処理するには化石燃料が生み出す エネルギーが必要である(p405)
・平和的な再分配が不平等 緩和に成功した例は歴史上 一度もない、 大きな変化を起こせるのは社会の大混乱( 戦争・ 革命・ 国家 崩壊・ 疫病) だけである(p419)
・ 本書で取り上げた10の巨大な脅威は今後20年にわたって 低成長を引き起こし、 危機を 一段と深刻化させる恐れがある、 だが不安定と混乱と機器の20年を乗り越えることができれば 経済的 希少性 が AI によって 和らげられ 多くの問題が解決される 明るい未来が待ち受けているかもしれない (p488)